MARCHの一角である法政大学の附属高校は、神奈川・東京エリアで人気の高い私立大学附属校です。法政大学には、以下3つの附属高校があります。
- 法政大学高等学校(法政高校)
- 法政大学第二高等学校(法政二高)
- 法政大学国際高等学校(法政国際)
しかし、どの学校が自分の子に合っているのか悩んでしまいますよね。
本記事では、3校の入試傾向や対策を詳しく比較します。お子さんの得意・不得意や、目指す高校生活のイメージに照らし合わせながら、最適な学校選びを進めていきましょう。
また、以下の動画でも詳しく解説しているため、あわせてご覧ください。
法政大学附属高校3校の受験日程と偏差値
東京・神奈川の私立高校入試は、2月10日から12日の3日間に集中していますが、法政大学の附属高校3校はそれぞれ異なる受験日程です。
| 学校名 | 偏差値 | 入試日 |
| 法政大学高等学校 | 68 | 2月10日 |
| 法政大学第二高等学校 | 69 | 2月11日 |
| 法政国際高等学校 | 68 | 2月12日 |
法政附属3校すべてを受験することが可能です。実際に、3校とも受験する人は多くいます。
ただし、それぞれの学校の特徴が異なるため、お子さんの学力や性格に合わせて選ぶことが重要です。
法政大学高等学校の入試傾向と対策

法政大学高等学校(法政高校)は、内申点をしっかり取れるお子さんに向いている学校です。入試問題は、しっかりと対策すれば高得点を狙いやすい問題構成になっています。
※内申点とは、中学校での成績を点数化したもので、高校入試の合否判定に使用されます。
法政高校の推薦入試は加点制度
法政高校には、推薦入試で加点制度があります。つまり、加点を獲得できるかどうかが、合否を大きく左右します。
普段から学校の成績をキープしつつ、MARCHレベルの大学附属校を確実に押さえたいお子さんには、最適な高校です。
国語の入試傾向と対策
法政高校の国語は2題構成で、比較的取り組みやすい問題が出題されます。
出題内容
- 大問1:小説
- 大問2:論説文
両方の大問とも、選択肢問題、抜き出し問題、記述問題、漢字問題がバランスよく出題されます。パターンが決まっているため、過去問演習を繰り返すことで、90点以上の得点も十分に狙えます。
対策のポイント
- 過去問を複数年分解いて、出題パターンに慣れる
- 小説が苦手な場合は、他校の類似問題も解く
- 基本的な漢字と語句の知識を固める
英語の入試傾向と対策
法政高校の英語は、幅広い題材から標準的な問題が出題されます。
出題内容
- A〜C:リスニング
- D:辞書問題(定義から単語を答える)
- E:適語補充(イディオム中心)
- F:同意文完成
- G:並び替え(英検でよく見る形式)
- H・I:長文読解
- J:資料読み取り(計算問題を含む)
- 最後に作文(意見文やメール形式)
特筆すべきは、私立高校では珍しい資料(数値)の読み取り問題が出題される点です。簡単な引き算や割合の計算もできるようにしておきましょう。
ただ、全体として英検(実用英語技能検定)の対策が、そのまま入試対策につながる構成です。英検準2級相当の単語力と、英検の問題形式に慣れておくことが得点につながります。
対策のポイント
- 英検準2級レベルの問題集を解く
- 単語力を徹底的に強化する
- 図表問題では、引き算・掛け算・割合の計算に慣れる
数学の入試傾向と対策
法政高校の数学は4題構成で、計算問題で大きく得点できる構成になっています。
出題内容
- 大問1:計算問題
- 大問2:方程式の解法
- 大問3:関数
- 大問4:平面図形(円)
特に、大問1の小問集合が非常に重要です。大問1だけで14〜15問出題され、約60点分を占めています。つまり、計算問題を確実に正解し、大問2以降で部分点を積み重ねれば、70点以上を狙えます。
対策のポイント
- 計算問題の演習を徹底的に行う
- ケアレスミスを防ぐ見直しの習慣をつける
- 数学が苦手でも、計算問題の正確さで勝負できる
法政高校は、日々の学習をコツコツと積み重ねてきたお子さんが、その努力を発揮できる学校です。内申点を確保して、基礎を固めた上で入試対策を行えば、十分に合格を狙えます。
法政大学第二高等学校の入試傾向と対策

法政大学第二高等学校(法政二高)は、学力を着実に高めていく「堅実な学校」というイメージがあります。堅実に学力を高めてきたお子さんに適した学校です。
法政二高は併願校としても人気
法政二高を受験するお子さんには、大きく分けて2つのパターンがあります。
- 第一志望として受験:法政二高を本命として、確実に合格を目指す
- 併願校として受験:他校を第一志望としながら、2月11日に確実に合格できる学校として受験する
神奈川県の入試では、2月11日に受験できる学校が限られているため、併願校(抑え)として法政二高を選ぶお子さんも多くいます。
国語の入試傾向と対策
法政二高の国語は3題構成で、知識問題の難易度が高めです。基礎知識の定着に加えて、応用的な思考力や記述力が求められる問題構成になっています。
出題内容
- 大問1:知識問題(10問)
- 大問2:論説文
- 大問3:小説
大問1の知識問題では、毎年必ず対義語が出題されます。また、2025年度の文法問題では助詞が出題されました。日々の学習で語彙力と文法力を積み上げているかが試されます。
大問2の論説文では、自分の具体例を用いた記述問題が出題されます。2025年度の問題では「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」というテーマで、読者自身が読んだ新書の例を使って記述する問題が出されました。
対策のポイント
- 対義語を重点的に学習する
- 文法の基礎知識を固める
- 自分の経験を具体的に説明する練習をする
- 小説は選択問題が中心なので、過去問演習で対策する
英語の入試傾向と対策
法政二高の英語は、「リスニング→長文読解(小説・説明文)→文法」というオーソドックスな構成です。
出題内容
- 大問1:リスニング
- 大問2:長文(小説)
- 大問3:長文(説明文)
- 大問4・5:文法問題
小説では内容一致問題が多く出題されますが、話の流れが掴みにくい作品が選ばれる傾向があります。「どこに向かっているのかわからない」と感じるお子さんも多いです。
実は、2025年度の国語の小説もタイトルが「パニック」という作品で、非常に読みにくい内容でした。国語・英語ともに、読解力が試される出題になっています。
対策のポイント
- 英検準2級レベルの単語力を身につける
- 説明文は標準的なので、確実に得点する
- 文法は参考書を繰り返し解いて定着させる
- イディオムは塊で覚える
数学の入試傾向と対策
法政二高の数学は6題構成で、毎年同じ出題パターンです。
出題内容
- 大問1・2:計算・小問集合
- 大問3:場合の数
- 大問4:関数
- 大問5:平面図形(円)
- 大問6:立体図形
大問1・2の計算問題は、他校と比べて難しいです。計算力が求められます。
「場合の数」問題も難易度が高く、答えが正しいかどうかを確認する方法がありません。たとえば問1で間違っていた場合、そのミスに気づかないまま問3までの15点分を落としてしまうのです。
平面図形(円)と立体図形も難易度は高いですが、問1・問2の問題を確実に取れば、合格点に届きます。
対策のポイント
- 計算力を徹底的に鍛える
- 場合の数は、数え漏れに注意する練習を重ねる
- 関数は標準的なので得点源にする
- 円の性質を深く理解する
法政二高は、参考書を確実に固めたお子さんが有利になる学校です。基礎を積み上げ、典型問題を確実に解ける力を養いましょう。
法政国際高等学校の入試傾向と対策

法政国際高等学校(法政国際)は、自由な校風に憧れるお子さんに人気の学校です。
法政国際は自由な校風が特徴
法政国際の自由で豊かな校風から、青山学院大学の附属校と並んで、のびのびとした環境で学びたいお子さんに選ばれています。
特に川崎市内からのアクセスも良く、神奈川県内から多くの受験生が集まります。
今後さらに学力レベルが上がり、将来的にはより魅力的な進学校になっていくと言われているため、しっかり対策しないといけません。
国語の入試傾向と対策
法政国際の国語は2題構成で、やや難易度の高い文章問題が出題されます。
出題内容
- 大問1:論説文
- 大問2:論説文(または小説)
選択肢を選ぶ問題が中心ですが、文章自体の難易度が高いです。哲学的なテーマや抽象度の高い内容が出題されることもあります。
法政国際の国語教育は、深い思考を求める姿勢が顕著です。たとえば、夏休みの課題では10冊程度の本(哲学書、宮沢賢治の小説など)の中から選んで、論述をする宿題が出されます。このような教育方針が、入試問題にも表れているのです。
対策のポイント
- 法政国際の過去問を繰り返し解く
- 青山学院高等部の過去問も活用する
- 抽象的な文章に慣れるため、多様なジャンルの文章を読む
英語の入試傾向と対策
法政国際の英語は、3校の中で最も難易度が高く、出題形式も変化しています。2025年度入試から、最後の長文でライティング問題がなくなり、長文読解のみに変更されました。
出題内容
- 大問1:長文(説明文)
- 大問2:長文(物語文)
- 文法問題
長文読解の説明文において、文章自体は読みやすいですが、内容一致問題で本文を何度も読む必要があるため、時間がかかります。
物語文ではストーリーの流れが掴みにくく、テーマや設定が理解しにくい作品が選ばれやすいです。
過去には会話文が出題されたこともあり、出題形式が年度によって変わります。直近の過去問だけでなく、あらゆる問題形式に対応できる総合的な英語力が必要です。
対策のポイント
- 長文読解を中心に学習する
- 英語の物語文に慣れる(日本語と異なる)
- 過去5年分以上の過去問で形式に慣れる
- 英検2級レベルの語彙力を目指す
数学の入試傾向と対策
法政国際の数学は、出題構成や難易度が年度によって大きく変動します。
出題内容
- 計算・小問集合
- 関数
- 平面図形
- 立体図形
- 文章題(出題されない年もある)
関数問題や図形問題は、難しい年と簡単な年の差が大きいです。突然、文章題が出題されることもあります。
対策のポイント
- 基礎的な計算力を徹底的に鍛える
- 関数・図形の典型問題を確実に解けるようにする
- 様々な難易度の問題に触れておく
- 英語だけでなく、数学・国語もバランスよく学習する
法政国際を第一志望にするお子さんは、英語の対策に多くの時間を割く必要があります。そのため、数学まで十分に対策できないケースも少なくありません。
しかし、最近の傾向として、英語の出題形式が変動しているため、むしろ数学と国語で安定した得点を確保した上で、最後に英語を伸ばしていく戦略がおすすめです。
法政大学附属高校3校の選び方

法政大学の附属高校3校は、それぞれ異なる特徴があります。
| 学校名 | 向いているお子さん | 入試の特徴 |
| 法政大学高等学校 | 内申点をしっかり取れる基礎を固めている | 計算問題が多く、パターン化された問題。英検対策が有効 |
| 法政大学第二高等学校 | 堅実に学力を積み上げてきた併願校を探している | 対義語や場合の数など、要注意の問題あり |
| 法政国際高等学校 | 自由な校風に憧れる高い学力を目指したい | 難易度は高め。形式が毎年変動するため、総合力が必要 |
お子さんに合った学校を選ぶためには、下記の4つを意識していただくと良いです。
- 学力レベル:現在の成績と目標とする得点を確認する
- 校風:お子さんの性格や学びたいスタイルとマッチするか確認する
- 入試日程:他の受験校との兼ね合いを確認する
- 通学距離:無理なく通える範囲か確認する
法政大学附属高校に合格するための学習戦略

法政大学の附属高校の入試対策は、一般入試とは異なる戦略が必要です。
- 志望校の傾向を分析する:
志望校が決まったら、まずは過去問を解き、科目ごとの出題傾向を把握する - 得意科目で高得点を狙う:
法政高校の数学、法政国際の国語・数学など、安定して点数が取れる分野を特定し、徹底的に固める - 専門的な対策を行う:
法政二高の「場合の数・記述問題」、法政国際の「英語長文」など、独学では対策が難しい分野は、附属高校受験に特化した塾も検討する
法政大学の附属高校は人気が高く、倍率も上昇傾向にあります。遅くとも中学3年生の夏休みからは、志望校を絞って対策を始めることをおすすめします。
こんにちは、門野坂翔太 さん
特に法政国際を目指す場合は、英語の対策に時間がかかるため、中学2年生のうちから英検準2級以上を目指して学習を進めておくと安心です。
この記事が、お子さんの志望校選びと受験対策の参考になれば幸いです。過去問演習を重ね、苦手分野を克服しながら、合格を目指してください。
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