門野坂です。
今日の授業では、川崎市立川崎高等学校附属中学校を受検する小学6年生に下記↓のようなメッセージを送りました。
市立川崎中学を受検する小学6年生に伝えたいこと。
そして、川崎学舎の指導方針が存分に詰まっている文章だと思うので、ぜひご覧いただければと思います。

■「宿題をこなすことが目的」ではなく「自分のレベルアップを目的」にしてほしい
市川に向けて最低限こなしてほしい宿題は出すけれど、与えられた宿題をこなすだけで受かる学校ではないと思う。入口にも書いているけれど「通うだけの塾。受けるだけの授業。」ではないのが川崎学舎の特徴。自分の目的に対して、自分なりの課題を立てて挑戦する人を育てたいと思っているよ。
■常に自分の課題を自分で分析して相談してほしい
例えば、国語ひとつ取ってみても、知識・抜き出し・要約・具体例・考察など人によって苦手な分野は違うよね。それぞれの分野に特化した問題集や過去問はあるし、具体例をありありと書けるようにするために小説を書いてもらっている人もいるわけだ。あるいは、どの分野のレベルもある程度高くて国語力があるなあと思う人には、いろいろな分野の問題がごちゃ混ぜになっている過去問を解いてもらっているのね。ひとりひとりに合った課題があると思うし、それに向き合うことができるように少人数の塾にしているのだから、課題は何かを分析して、レベルアップするためにはどうすれば良いかを相談しに来てほしいな。
■僕らのことが「敵」だと感じるなら、受検かその科目か自分に向き合えていないかもね
学校というのは、与えられたことを「こなす」構造になりがちだけど、川崎学舎は「こなす」場所にしないでほしいな。ちょっと想像してほしいんだけど、甲子園という野球の全国大会を目指す高校生が、監督から与えられた練習を嫌々「こなす」ことはかなり少ないと思うんだよね。日本一を目指して、あるいはスタメンに選ばれるためにどうすれば良いかを必死に考えて、自分なりの課題に向けて自主的に練習すると思うんだよね。弱小校の子たちほど、監督から出された練習メニューに文句を言い、ちんたら取り組む印象がある。僕の目には、目標も憧れもない状態で、練習を「こなす」だけだから、つまらないんだろうなと思う。もっと言えば、自分が自分に向き合ってない状態が、つまらなさを生んでいるだろうなと思っている。
市川なんて、どんな問題ができるか分からない学校だから、極めることなんて無限にあると思うんだよね。そんな中で、自分は何が苦手で、どういった能力を伸ばしたいのかを考えていたら、自分の心から課題は湧き上がってくると思うんだ。そういう人たちをサポートするために、僕らはいるからさ。学年やレベルを問わず、きちんと向き合っている人には、僕らは怖い存在ではないはずだよ。サポートするスタンスに立っている人のことが「敵」だと感じるなら、それは自分の苦手を乗り越えたいと思っていないか、目標に向かって歩けていないんじゃないかな。
■どうせやるんだったら「勉強自体」か「積み重ね」を楽しんでほしいな
僕らも残念ながら塾の先生だからさ、受検でしか君のことを支えることができないことを寂しく思っているよ。でも本当はさ、受検の合格が目的なんかじゃなくて、自分が自分なりの目的に向かって歩いていける人になってほしいと思っているんだ。どんなにクソだるい理系の課題だって、どんなにバカバカしい文系の課題だって「あ、まあなんか分かった気がするわ」という瞬間は楽しく感じられる瞬間もあると思うんだよね。あるいは「え、なんか成長している気はするかも」と感じられる瞬間とかさ。
こういう【勉強自体の楽しみ】とか【積み重ねる喜び】を少しでも感じてほしいなと思う。どうせやるんだったらさ。一生懸命考えて、一生懸命悩んで、自分なりの最高の人生をつくっていく。そういう人にとっては、勉強と積み重ねが心地よい経験に変わっていくと思うんだ。ガチで。僕は27年間でそう思うようになった。

受検を考えている6年生のみんなは、僕の想像よりも何倍も真面目に話を聴いてくれました。
いつもより、遅い時間まで勉強する子も多かった。
小学6年生に主体的な勉強を求めるのは酷なのでしょうか。
僕は、ずっと悩んできたんです。
でも僕は、彼らならきっと自分から学んでいくことが出来ると思うんです。
だから、わざわざこの文章を書いてみたんです。

毎週毎週、自分が経験したことを振り返る作文を書き、みんなで遊び、厳しく勉学について言及されてきた信頼の置ける小学6年生なら、きっと出来ると、僕は信じたいんです。
たまに、彼らがいない生活を想像して泣きそうになるんですよ。
しっかり関わっていくタイプの塾だからこそ、勉強してんだか遊んでんだか説教してんだか分からなくなるんです。「生活している」という感じ。
受検が近づいて、現実的な数字を見ることが多くなって、つらいことに向き合う時間もあるかもしれない。だけど、だからこそ、大人に言われたことをこなして受検当日を迎えるだなんてもったいない。
学びを通して自分の人生を自分で歩いていく感覚を養う。
スケールの大きな学びを。生き方を。求めていきたい。
君たちならきっと、できると思うから。
門野坂翔太