過去問分析法政大学第二高等学校数学 全問分析 全問分析・無料公開
法政大学第二高等学校 数学 超難問も捨て問もない三年分。標準を取り切る精度がそのまま合否になる試験。 分析対象: 更新 法政大学第二高等学校の分析トップへ 測り方
数学 / 入試分析完全版

法政大学第二高等学校 数学 入試分析完全版

川崎学舎 / 入試分析 | 3年分(2023・2024・2025)を1問ずつ判定 | 配点・難易度・深さはすべて当塾による推定値

3年分・全42問を1問ずつ分析。 川崎学舎による推定値
0
初見でひらめきが要る
ひらめき勝負はなし
0
捨て問
解けなくていい問題
27
取りこぼせない標準問題
ここで差がつく
80
合格ラインの目安
落とせない試験
3年分で平均すると、42問のうち 27問 が「取りこぼせない標準」。超難問も捨て問も 0問

合格ラインの目安は80点——川崎学舎の合格者を見てきた私達が目安とする点数です。3年間、手も足も出ない超難問は1問も出ていません。標準問題を取りこぼさない人が受かる試験です。

過去問を見た。色々な記事を見た。でも、難しいことは分かった。具体的にどう難しいのか、どんな単元がどんな難しさで出るのか、そしてどこをどう対策すればいいのかは分からない。本気で法政第二に合格しにいく。そんな受験生のために、この記事を作りました。3年分の全問分析をもとに、入試の分析から、これからの勉強の方針までお伝えします。

保存 一度で読み切らなくて大丈夫。ブックマークして、過去問を解くたびに戻ってきてください。
この記事で分かること ― 全6章
01法政第二の正体 ― どんな子が、受かるか
ひらめき不要の根拠と、早慶・MARCH、私立高校の中での立ち位置
02難易度の物差し ― 30秒だけ準備
難易度表C〜Sの見方と、「標準=CとB」の説明
03どの単元が、どう出るか
頻出単元は3年間ほぼ同じ。差がつく15問を一つずつ説明 ― 関数空間図形
04大問I〜VI ― 大問別に、取り方を決める
大問を1問ずつ分析。川崎学舎オリジナルの類題付き
0580点の作り方 ― 単元の役割を分けて、順に積む
単元の役割(土台と勝負どころ)と、いつ何をやるかの順路、教室の解き方の実物1問まで
06よくある質問
先取り・過去問・公立併願から、独学・記述の部分点まで6つ
01
数学 / 入試分析

法政第二の正体 ― どんな子が、受かるか。

この章で分かること 法政第二の数学で必要なのは、見たことがある問題を速く・正確に・最後まで解き切る力だと分かる。

I診断

法政第二の数学は、「速く・正確に・最後まで解き切れる子」が受かる試験です。3年分の問題を1問ずつ分析しました。数字で見ていきましょう。

0
初見で「ひらめき」が必要な問題
習った型を正しく当てはめれば、最後まで解き進められます
0
試験当日、解かなくてもいい問題(難易度が高く、捨てたほうがいい問題)
いちばん難しい問題でも、最初の一歩で部分点が拾えます
27
取りこぼしてはいけない標準問題(42問中・約3分の2)
ここを固めれば、合格ラインに手が届く
早慶・MARCHをはじめとする私立高校の入試問題を1問ずつ分析し、同じ基準で難易度順に並べて比べました(当塾分析)。その中で、法政第二の平均的な1問は真ん中よりはっきり易しい側。手が出ないほどの難問は、3年間で0問です。

II6つの軸で見る出題傾向

上段 ― バーの伸びで読む(左が0起点/縦線=全体の平均)
問題の難しさ 37/100平均 50
100
手が出ない問題の割合 0%平均 11%
30%
記述で書かせる割合 5%参考 43%
100%

数字は当塾の推定です。右端の数字は各軸の目盛りの上限。「記述で書かせる割合」の参考線43%は難関私立入試による参考値で、法政第二は57問中3問=5%です。

下段 ― どちらに寄るかで読む(中央=全体の平均/目盛りは中央から±40%)
計算・作業の量 平均より 27% 軽い側
軽い重い
ひらめきの必要度 平均より 26% 軽い側
軽い重い
自力で方針を立てる場面 ほぼ平均
軽い重い

数字は当塾の推定です。3つとも中央より左=全体の平均より軽い側。大半の問題は習った型どおりに解け、自力で方針を立てる場面があるのは、誘導つきの後半3大問だけです。

塾長所見

この分析を見てわかる通り、法政第二の入試問題は「解きやすい」部類に入ります。ひらめきを必要とする問題も、初見で考えて解かなければいけない問題も出題の頻度は少ないです。つまり、「見たことがある問題」を「最後まで正確に解き切る」力が求められているということです。揺るがない基礎力を身につけることが合格に何より大切です。

この章の結論

受かるのは、速く・正確に・最後まで解き切れる子(初見でひらめきが要る問題は0問)

ほかの人気校とくらべても、はっきり易しい側(手が出ない難問は3年間で0%)

02
数学 / 難易度の物差し

難易度の物差し ― 30秒だけ準備する

この章で分かること 問題の難しさを、やさしい(C)・ふつう(B)・差がつく(A)・手が出ない(S)の4段階で測る、以後共通の物差しが分かる。

I難しさは4段階で測る

この記事で使う難しさの物差しを説明します。30秒で掴みましょう。

難易度の物差し ― 4段階(当塾判定)
Cやさしい学校のテキストに出てくるレベルが目安。習えば誰でも取れる問題(3年で1問)。
Bふつう塾で勉強する問題集(1周目のテキスト)に出てくるレベルが目安。この試験で一番出題。(3年で26問)。
A差がつく中3・9月以降の入試演習で扱う応用問題のレベルが目安。この試験でいちばん難しい層(3年で15問)。
S手が出ない私立難関TOP校で出題されるレベルが目安。捨ててよい難問。この学校では3年で0問。
標準とはこの記事ではCとBを指します。ここまで「標準問題」と呼んできたのも、この意味です。

II3年間、42問の出題難易度を比べると

物差し 問題数 ひとことで
C やさしい 1 全員が取る一段目。数は少なめ。
B ふつう 26 この試験の主役。多くはここ。
A 差がつく 15 標準の一段上。合否を分ける層。
S 手が出ない 0 3年で1問もなし。

3年分・42問の内訳(当塾の推定)。CとBを合わせた標準が42問中27問=約3分の2です。

Qこの物差しは、どうやって決めたのですか?
A早慶・MARCHをはじめとする私立高校の入試問題を、川崎学舎が1問ずつ実際に解き、同じ基準で難易度順に比較しています。C〜Sの割り当てはその結果です。なお、配点は公開されていないため、難易度も深さも当塾の推定です。入試の基本情報は学校公式サイトの公表値によります。
この章の結論

難しさの物差しはC〜Sの4段階。以後の章は、この物差しで読める

標準=CとB。手が出ない難問(S)は3年で0問。難しさの上限が、はっきり見えている試験

03
数学 / 出題傾向

どの単元が、どう出るか ― 頻出単元は3年間ほぼ動かない

この章で分かること 法政第二の数学は、大問I〜VIの単元が3年間ほぼ固定されている。「どの単元で差がつくか」を押さえれば、どの単元に力を入れて対策すればいいかが分かる。

I6つの大問と単元の一覧

法政第二の出題単元はほぼ固定されています。大問Iは計算の小問集合、大問IIは数の性質と図形の小問、大問IIIは確率、大問IVは放物線、大問Vは円、大問VIは空間図形。この並びが、2023〜2025年でほぼそのまま繰り返されています。

出題単元が動かないのは、あなたにとって大切なポイントです。どの単元が、どのくらいの難しさで、何問出るかが分かっていれば、対策は単元ごとに立てられます。まずは6つの大問を、1つずつ見ていきましょう。

大問単元問われている力難易度の出方
I
計算の小問集合:因数分解・連立方程式・二次方程式・数の計算
4枠が3年ほぼ固定(2023のみ小数部分)。独立した4問。
計算の安定性 B C
II
数の性質+関数の小問+平面図形の小問+数の計算/場合の数
図形枠が2023年・2024年と2年連続A=前半の隠れ難所。
少し難易度が高い小問へのアプローチ B A
III
確率3問(毎年固定・2024はすごろく設定)
設定は年で変わるが、出題単元は変わらない。
日本語を理解し、正しく数え上げる力 B A
IV
関数・放物線と直線(誘導つき3問)
前の答えを次の問題で使う、誘導つきの大問。問1が起点。3年ともA。
誘導に乗って問題を解く力 A
V
平面図形・円(誘導つき3問)
この試験でいちばん深い1問が毎年ここに1つ入る。
深い思考力と図形理解 A
VI
空間図形(誘導つき2問・問2が記述)
問2は毎年、途中式を書く記述。
複雑な情報の処理能力 A

大問構成は変化なし。動くのは各年単元の中身だけ(難易度は当塾の推定・3年分)。

6つの大問を見ると、傾向がはっきりします。前半(大問I〜III)は独立した小問が中心で、計算は優しいですが、1行ほどの短い文章題が難しい。後半(大問IV〜VI)は誘導つきの大問。差がつく問題(A)は後半に固まっています。同じ難しさの問題を様々な単元で。これが法政第二の骨格です。

II3年42問を単元ごと、難易度別で比較

単元の割合(3年・42問/当塾分析)
数と式・整数17問・40%
確率・場合の数10問・24%
関数6問・14%
図形・平面6問・14%
図形・空間3問・7%

数えたのは、この記事の判定と同じ3年・42問です(誘導つき大問は全体で1問と数えます)。前半は数と式と確率が厚く、後半の関数・図形は数こそ1問ずつでも、小問3つを束ねた配点の重い大問。どの単元も捨てられない構成です。

大問の性格が見えたところで、3年42問全てを単元ごと、難易度で比べます。大半の問題は標準(BとC)の帯に集まり、差がつく問題(A)だけが特定の単元に固まっているのが一目で分かります。前半(大問I〜III)は標準レベルが厚くなっています。後半(大問IV〜VI)の誘導つき大問は、大問全体の評価でほぼ差がつく問題(A)になります。

単元(大問)CBAS
大問I ― 計算・因数分解 1 11 · · 12
大問II ― 数の性質・図形小問 · 9 3 · 12
大問III ― 確率 · 6 3 · 9
大問IV ― 関数(3年変化なし) · · 3 · 3
大問V ― 円(3年変化なし) · · 3 · 3
大問VI ― 空間(3年変化なし) · · 3 · 3
計(3年・判定した問題数) 1 26 15 0 42

難易度の散らばりは例年変化なし。前半(I〜III)は標準が厚く、後半(IV〜VI)の誘導つき大問はすべて差がつく問題(A)。手が出ない難問(S)は3年で0問(当塾判定)。

III差がつく問題(A)15問は、どの単元で出たか

差がつく問題(A)について詳しく見ていきましょう。A問題は3年で15問。内訳は、前半の最後に6問、後半の誘導つき大問に9問。3年分そのまま並べます。

場所単元
2023大問II 問4平面図形・内接円
2023大問III 問3確率
2023大問IV(誘導つき大問)放物線と直線・面積の二等分
2023大問V(誘導つき大問)円と長方形・面積
2023大問VI(誘導つき大問)立方体切断・点と平面の距離
2024大問II 問3数の性質(余りの周期)
2024大問II 問4平面図形・回転・面積
2024大問III 問2確率・すごろく
2024大問III 問3確率・すごろく
2024大問IV(誘導つき大問)放物線と一次関数・長さ
2024大問V(誘導つき大問)円・接線・軌跡・面積の最大値
2024大問VI(誘導つき大問)立方体の切断・体積
2025大問IV(誘導つき大問)放物線と一次関数・面積
2025大問V(誘導つき大問)円・角度・三平方・面積
2025大問VI(誘導つき大問)正四面体・最短経路

差がつく問題(A)は3年で15問。小問題でも一定数A問題、後半の誘導つき大問は大半がA問題(当塾判定)。

図形[平面・立体]、関数の単元はほぼA問題が出題されるということがわかります。そして次に多いのが場合の数・確率、整数の単元。これらの単元は毎回決まった問題ではなく、その単元の中で様々な種類の応用問題が出題されています。頻出単元は、どのテーマの問題が来ても、苦手なく解くことができる状態を作っておく必要があります。

IV頻出単元のテーマ分析 ― どのテーマが来ても解けるように

単元は固定でも、テーマは毎年変わります。3年間の実物を単元ごとに並べると、その回りかたが見えます。

頻出単元 × 3年間に出たテーマ(当塾分析)
関数(大問IV・毎年)面積の二等分(2023)→ 長さ(2024)→ 面積(2025)。主題は替わっても「交点 → 係数 → 面積・長さ」の流れは共通です。
円(大問V・毎年)長方形との融合(2023)→ 接線・軌跡・面積の最大値(2024)→ 角度・三平方・面積(2025)。円周角・相似・接線の三点セットが土台です。
空間図形(大問VI・毎年)立方体の切断(2023・2024)→ 正四面体の最短経路(2025)。「切って断面を見る」力と「開いて測る」力の2つが求められます。
数の性質(大問II・毎年)平方数の差への翻訳(2023)→ 余りの周期(2024)→ 整数の条件(2025)。1行の文章題を式に翻訳する型が毎年姿を変えて出ます。
確率(大問III・毎年)カードの積(2023)→ すごろく(2024)→ 色玉(2025)。設定が毎年替わるので、日本語の条件を図や表に落とす練習が効きます。

どの単元も「同じテーマの再演」ではなく、単元の中でテーマが回っています。だから頻出単元は、テーマを選ばず解ける状態まで仕上げる——これが法政第二の単元対策の結論です。

Vくり返し出る、解き方の型(7本)

最後に、単元をまたいで繰り返し顔を出す「型」を7つまとめます。単元は違っても、解き方の骨組みは共通しているものが多いです。先に体になじませておくと、大問ごとの対策が早くなります。

頻出の型 ― 7本 印刷して机に貼る
因数分解は「2乗の差」を2段階で開く(毎年・大問I)。一気に因数分解せず、まず和と差の積に開いてから、もう一段開く。
√(n²−k) を「平方数の差」に翻訳する(数の性質)。ルートの中を (n+m)(n−m) の形に読み替えて絞り込む。
余りの周期を書き出す(数の性質・2024年 大問II 問3)。割った余りが何回で一周するかを、地道に並べて見抜く。
余事象で数え切る(確率・大問III)。「そうならない場合」を数えて、全体から引く。
放物線と直線は「交点→係数→面積/長さ」の誘導(毎年・大問IV)。交点の条件から係数を出し、面積や長さへつなぐ。
円は「円周角・相似・接線→面積/軌跡」の誘導(毎年・大問V)。円の性質を足がかりに、相似の連鎖で最後まで追う。
空間は「切断・展開(最短経路)→体積/距離」(毎年・大問VI)。立体を切るか開くかして平面に落とし、途中式を書き切る。

実物の手ざわりは、次章の大問別カードで確かめられます(各大問に1問ずつ、川崎学舎オリジナルの類題つき)。→ 大問別カードへ進む

この章の結論

出題単元は3年間ほぼ固定。だから対策は大問ごとに立てられる

差がつく問題(A)は後半の誘導つき大問に集中(前半の最後に6問、後半に9問)

04
数学 / 大問別分析

2025年の6問を、大問別に分析する ― どこを取り、どこで差をつけるか

この章で分かること 2025年の大問I〜VIを1問ずつ見ていく。それぞれの大問で何が問われ、どこを確実に取り、どこで差がつくかが、単元別に決められる。

50分の使い方

法政第二の数学は、100点満点・50分・大問6つ。1問あたりの持ち時間は、当塾の推定でおよそ2.6分です。前半I〜IIIは独立した小問、後半IV〜VIは前の答えを次で使う誘導つきの大問。後半は問1から順に積み上げます。

試験50分の時間配分(当塾の推定・目安)
I・II〜16分
III〜6分
IV〜8分
V〜9分
VI〜6分
予備〜5分

分数は当塾の推定(実測は非公開)。前半I・II・IIIを素早く取り、残りを誘導つきの後半に回す配分です。いちばん難しい円(大問V)にいちばん時間をかけ、予備5分は、大問VIの途中式の見直しと全体の振り返りに。

この章の難易度(C〜S)の物差しは02章のとおりです。各大問の「特徴(5点満点)」は、3年分を実際に解いた当塾の相対評価です。

大問I〜VI ― 大問別に見る(2025年の構成)

I計算の小問集合 ― 独立4問

試験の一番手。2025年は、因数分解・連立方程式(解の利用)・二次方程式・数の計算(根号)の4問。独立した小問で、正しく計算ができればまるごと取り切れる得点源です。過去2年で変化したのは並び順だけ——2023年は数の計算(小数部分)から始まりました。

大問I ・ 年度問1問2問3問4
2025 B式の計算・因数分解 B連立方程式・解の利用 B二次方程式 B数の計算・根号
2024 C式の計算・因数分解 B連立方程式 B二次方程式 B数の計算・根号
2023 B数の計算・小数部分 B連立方程式 B二次方程式 B式の計算・因数分解

難易度はほぼ全部が標準(B)。変化したのは2024年の問1がやさしい(C)に振れた点と、並び順だけです(band は当塾判定)。

この大問の特徴(当塾判定・5点満点) 3年間の傾向
計算の量 軽い。読んだ瞬間に手が動く速度で抜けたい
正確さの要求 得点源だけに、1問の取りこぼしが痛い
条件の整理 ほぼ不要。式をそのまま使う
解き方選び 型は一択。迷う場面は少ない
ひらめき 要らない。基礎が固まっているかだけ

大問Iは、考える大問ではありません。読んだ瞬間に手が動く速度で解き、一発で答えを出し切る必要があります。ここで手が止まったら、それは実力不足ではなく練習不足のサインです。

よくあるミス: 符号の見落としや、式を写す段階での取り違え。

C やさしい:2乗の差を、2段階で因数分解する 目安 2分

次の式を因数分解しなさい。
a4 − 16b4

書き込み欄
答えと解説を見る
(a² + 4b²)(a + 2b)(a − 2b)

a^4-16b^4=(a^2)^2-(4b^2)^2 とみて和と差の積(a^2+4b^2)(a^2-4b^2)に分解し、残るa^2-4b^2=(a+2b)(a-2b)をさらに分解。a^2+4b^2は分解不可。

出典:2024年 大問I(問1) と同型・川崎学舎オリジナル類題

II一行文章題と図形の小問集合 ― 独立4問

前半の隠れた難所。2025年は、一次関数の式・数の性質・場合の数・平面図形(角度)の4問で、すべてふつう(B)でした。ただし年度によって難易度は変化。2024年は問3の数の性質と問4の図形(回転の面積)がA、2023年も問4の図形(内接円)がA。図形の枠が2年連続でAに振れていました。

大問II ・ 年度問1問2問3問4
2025 B一次関数の式 B数の性質 B場合の数 B平面図形・角度
2024 B放物線と直線 B式の値 A数の性質 A回転・面積
2023 B式の値 B数の性質 B関数・変域 A平面図形・内接円

2025年は全問ふつう(B)。差がつく問題(A)が出るのは図形と数の性質の枠です。2023年・2024年と2年連続で、最終問の図形がAでした(band は当塾判定)。

この大問の特徴(当塾判定・5点満点) 3年間の傾向
計算の量 軽い。ただし図形は手数が増える年も
正確さの要求 前半だけに、標準の取りこぼしが痛い
条件の整理 図形と数の性質で、条件を読む力が要る
解き方選び 型は見えやすい。A年は一手先が要る
ひらめき ほぼ不要。翻訳の型を持っているかが差

大問IIは、標準(B)の枠をきっちり回収する大問です。図形や数の性質で一問だけ手が止まっても、そこに時間を吸われてはいけません。飛ばして後半に進み、時間が余ったら戻ってくる。その判断ができるかどうかが点数を左右します。

よくあるミス: 場合分けの見落としによる答え漏れ。

B ふつう:√(n²−k) が整数になる n を絞る 目安 4分

√(n²−143) が整数となるような自然数 n のうち、最も大きいものを求めなさい。

書き込み欄
答えと解説を見る
n = 72

√(n²−143)=m とおくと (n+m)(n−m)=143。143=1×143=11×13 で、n最大は n+m=143,n−m=1 → n=72(m=71,72²−143=71²)。

出典:2023年 大問II(問2) と同型・川崎学舎オリジナル類題

III確率 ― 3問(毎年固定)

確率の3問が、毎年出題される単元です。2025年は色玉(おはじき)を取り出す設定で、3問ともふつう(B)でした。数え上げの正確さがそのまま点になる場所です。過去2年は難易度・テーマが違い、2024年はすごろくで問2・問3がA、2023年は問3がAとなっています。見落とせない条件が重なる年ほど差がつきます。

大問III ・ 年度問1問2問3
2025 B確率(色玉) B確率(色玉) B確率(色玉)
2024 B確率・すごろく A確率・すごろく A確率・すごろく
2023 B確率 B確率 A確率

2025年は3問ともふつう(B)。差がつくのは設定がこみ入る年で、2024年のすごろくは問2・問3がAでした(band は当塾判定)。

この大問の特徴(当塾判定・5点満点) 3年間の傾向
計算の量 軽い。数え上げの手数が中心
正確さの要求 数え漏れが一発で失点になる
条件の整理 設定を図に落とせるかが分かれ目
解き方選び 書き出しか余事象か、の使い分け
ひらめき 要らない。ていねいさが点になる

大問IIIは、ひらめきではなく丁寧さで決まる問題です。標準問題(B)を落とさず、差がつく問題(A)の1問は場合分けを図に整理して取りにいきましょう。数え上げの正確さが、そのまま点になります。設定を図や表に落として、数え漏れなく、かつ重複させずに数える。それさえできれば、この3問は取り切れます。

よくあるミス: 数え漏れ・条件見落とし・重複した数え方。

B ふつう:3色から1個ずつ取り出す確率 目安 4分

箱の中に、赤いおはじきが5個、青いおはじきが4個、緑のおはじきが3個の合わせて12個が入っている。よく混ぜてから同時に3個を取り出すとき、取り出した3個の色がすべて異なる(赤・青・緑が1個ずつ)確率を求めなさい。

書き込み欄
答えと解説を見る
3/11

全体C(12,3)=220通り。各色1個ずつは5×4×3=60通り。60/220=3/11。

出典:2025年 大問III(問1) と同型・川崎学舎オリジナル類題

IV関数 ― 放物線と直線(誘導つき3問)

放物線と直線を組み合わせた関数の大問が、毎年出題されます。2025年は放物線と一次関数から面積を出す問題でした。3つの小問は誘導つきで、問1が起点。ここを落とすと問2・問3も落としてしまうので注意が必要です。大問IVは、問1〜問3を通した大問全体の評価で、3年とも差がつく問題(A)でした。

大問IV ・ 年度問1問2問3
2025 交点Aの座標単体ならB流れの中でB 切片の値単体ならB流れの中でC 面積→平行な直線単体ならA流れの中でA
段差問2→問3で一段上がる(代入から、面積条件の逆算へ)
2024 交点のy座標単体ならA流れの中でA 傾きの値単体ならA流れの中でC 2交点間の長さ単体ならA流れの中でA
段差山が両端 ― 問2は誘導が大きく効き、問3で再び上がる
2023 線分の長さ単体ならB流れの中でB 三角形の面積単体ならB流れの中でB 面積の二等分単体ならA流れの中でA
段差問2→問3で一段上がる(面積計算から、二等分線の構成へ)

チップは各小問の難易度(当塾判定・目安)。単体なら=その小問が1問だけ独立に出たと見立てたとき。流れの中で=前の問の答えが手元にある前提。2つの差が「誘導の効き」で、2024年の問2のように差が大きい小問ほど、誘導に乗る価値があります。

この大問の特徴(当塾判定・5点満点) 3年間の傾向
計算の量 多い。座標から面積、複雑で長い式
正確さの要求 問1を外すと後ろがまるごと崩れる
条件の整理 交点と座標を正しく置けるか
解き方選び 型は「交点→係数→面積」で一貫
ひらめき 要らない。誘導を順にたどるだけ

大問IVは、問1がすべての起点です。問1の座標を確実に取れば、あとは誘導を1本ずつたどるだけです。ここで座標をひとつ取り違えると、問2・問3はまるごと崩れます。最後まで届かなくても、問1・問2の積み上げで部分点が拾えます。

よくあるミス: 問1の座標ミスが後続の問2・問3に連鎖すること。

A 差がつく:放物線と直線を、誘導のまま最後までたどる 目安 8分

放物線 y=(1/2)x² …① と直線 y=x+a …② が2点A,Bで交わる。A,Bのx座標をp,q(p<q)とする。A,Bからx軸へ垂線をひき、交点をC,Dとする。線分CDの長さが6であるとき、
問1 点Aの座標を求めよ。
問2 aの値を求めよ。
問3 直線②上でx座標が1の点をRとする。放物線①上に点Pを△PARの面積が30となるようにとる。この点Pを通り直線②に平行な直線の式を求めよ。

書き込み欄
答えと解説を見る
問1 A(-2,2) / 問2 a=4 / 問3 y=x+24

CD=q−p=√((p+q)²−4pq)=√(4+8a)=6 → a=4、x²−2x−8=0 → p=−2,q=4、A(−2,2)。問3: R(1,5)、P(t,t²/2)で△PAR=(3/4)|(t−4)(t+2)|=30 → t=−6,8、いずれも切片t²/2−t=24 → y=x+24。

出典:2025年 大問IV と同型・川崎学舎オリジナル類題

V平面図形 ― 円と接線(誘導つき3問)

この試験の最深部。円をからめた平面図形の大問が、毎年ここに置かれます。2025年は円・角度・三平方の定理・面積へとつなぐ流れでした。もっとも手数のかかる1問が毎年ここにひそみ、時間配分もいちばん厚い9分です。大問Vも、問1〜問3を通した大問全体の評価で、3年とも差がつく問題(A)でした。

大問V ・ 年度問1問2問3
2025 円と接線・角度単体ならA流れの中でA 線分の長さ単体ならA流れの中でB 三角形の面積単体ならA流れの中でB
段差問1が山場(角度の文字式)。問2・問3は流れに乗れば定型の計算
2024 面積の最大値単体ならA流れの中でA 接線と長さ単体ならA流れの中でB 点が描く軌跡単体ならS流れの中でA
段差問2→問3で一段上がる(問3は単体なら3年間で最も深い1問)
2023 円と長方形・長さ単体ならA流れの中でA 三角形の面積単体ならA流れの中でB 斜線部の面積単体ならA流れの中でB
段差問1がいきなり山場。あとは流れに乗ればなだらか

チップの見方は大問IVの表と同じ(単体なら/流れの中で・当塾判定・目安)。設定は毎年変わりますが、円周角・相似・接線から面積や軌跡へつなぐ骨格は共通です。2024年の問3は、単体なら手が出ない(S)=3年・24小問で唯一の問題です。誘導に乗って初めて届く、この試験の最深部です。なお章2の42問の集計は、誘導つき大問を丸ごと1問と数え、流れの中で解いたときの難易度で判定しています。そのため単体ならSのこの問も集計には現れず、S=0問のままです。

この大問の特徴(当塾判定・5点満点) 3年間の傾向
計算の量 やや多い。相似と三平方で式が伸びる
正確さの要求 高い。ここは1問の重みが大きい
条件の整理 図に条件を書き込む力が要る
解き方選び どの定理を当てるかの判断が分かれ目
ひらめき この試験でいちばん要る大問。それでも4

大問Vは、この試験でいちばん時間がかかる大問です。円周角・相似・接線のどれを当てるかの判断が分かれ目で、方針が見えないまま突っ込むと時間だけが溶けます。前半で稼いだ時間をここに集め、問1・問2で足場を固め、問3は方針が見えたら解く。それで十分です。

よくあるミス: 方針が立たないまま、最後の小問を深追いしてしまうこと。

A いちばん深い:円に内接する直角三角形・面積最大・軌跡 目安 9分

線分BCを直径とする円Oがあり、円周上に点Aを AB=6cm、∠ABC=30° となるようにとる(BCが直径なので∠BAC=90°)。点Pは、Aを含まない方の弧BC上をBからCまで動く。点Aを通りAPに垂直な直線と直線PCの交点をQとする。
問1 △ABPの面積が最大になるときの面積Sを求めよ。
問2 点PがCに限りなく近づくときの線分QCの長さを求めよ。
問3 点PがBからCまで動くとき、点Qが描く曲線の長さℓを求めよ。

書き込み欄
答えと解説を見る
問1 S=9√3 cm² / 問2 QC=4 cm / 問3 ℓ=2π cm

∠BAC=90°よりBC=AB/cos30°=4√3(直径)、AC=2√3、r=2√3。問1:弦ABは固定でPが弧中点のとき高さ最大→S=9√3。問2:相似からQC=4。問3:∠AQC=60°一定でQの軌跡は半径2の半円→ℓ=2π。

出典:2024年 大問V と同型・川崎学舎オリジナル類題

VI空間図形 ― 正四面体・最短経路(誘導つき2問・問2が記述)

試験の最後の大問。空間図形が毎年ここに置かれます。2025年は正四面体の最短経路でした。小問は2つで、問1が起点、問2が記述。問2だけが、この試験で唯一「途中の考え方や式もふくめて」書かせる問題です。過去2年は立方体の切断でしたが、断面を見る力と展開して最短を測る力が問われる骨格は共通。問1・問2を通した大問全体の評価で、3年とも差がつく問題(A)でした。

大問VI ・ 年度問1問2(記述)
2025 正四面体・垂線の長さ単体ならB流れの中でB 最短経路単体ならA流れの中でA
段差問1→問2で一段上がる(公式的な垂線から、展開の閃きへ)
2024 切断面への垂線単体ならA流れの中でA 切断した立体の体積単体ならA流れの中でA
段差なし ― 2問とも重く、誘導の効きが小さい年
2023 切断面の面積単体ならB流れの中でB 点と平面の距離単体ならA流れの中でA
段差問1→問2で一段上がる(面積から、体積を2通りに表す技へ)

チップの見方は大問IVの表と同じ(単体なら/流れの中で・当塾判定・目安)。変化したのは立体の種類だけです。

この大問の特徴(当塾判定・5点満点) 3年間の傾向
計算の量 やや多い。三平方で長さを追う
正確さの要求 記述だけに、途中式の1行が点を分ける
条件の整理 見取り図を平面に起こせるか
解き方選び 切断か展開か、立体の扱いを選ぶ
ひらめき 展開の一手に気づけるかが山

問1で図の設定を正確につかみます。問2は最後の数値まで届かなくても、鍵となる式を残して途中式を書き切り、部分点を取りにいきましょう。

よくあるミス: 途中式を書かずに答えだけ埋めて、部分点を逃すこと。

A 記述を取り切る:正四面体・垂線上の点で2線分の和を最小に 目安 6分

1辺の長さが12cmの正四面体PQRSがある。頂点Pから底面QRSにおろした垂線の足をHとする。辺PQの中点をM、辺QRの中点をNとする。線分PH上に点Xをとり、MX+XNの長さが最小になるようにする。このときのMX+XNの値を、途中の考え方や式もふくめて求めなさい。

書き込み欄
答えと解説を見る
MX+XN の最小値 = 6√2 cm

PH=√(12²−(4√3)²)=4√6。Mは軸方向高さ2√6・軸距離2√3、Nは高さ0・軸距離2√3。軸周りの対称で展開すると直角三角形の斜辺=√((2√6)²+(4√3)²)=√72=6√2。

出典:2025年 大問VI(問2・記述) と同型・川崎学舎オリジナル類題

毎年ひとつだけ書かせる、記述の話

記述で答えるのは、毎年ひとつだけです。大問VIの問2、これだけが「途中の考え方や式もふくめて」書かせる問題で、ほかはすべて答えのみ。場所が1問に固定されている以上、記述対策もそこ一点に絞れます。
記述の強みは部分点です。最後の数値まで届かなくても、途中式を書き切れば、たどった道筋のぶんだけ点が入ります。方針が見えたところまでを省かずに式で残す。展開図や断面の説明を一言そえるだけで、考えの流れが伝わります。
公立高校のマークや記号選択に慣れていると、途中を書く手が止まりがちです。普段の演習から、答えだけでなく考えた順番を書く癖をつけておきましょう。その一手間が、この1問の部分点に直結します。
この章の結論

大問I〜IIIは独立した小問、IV〜VIは誘導つき。前半を速く固め、後半は問1から積み上げる大問順の攻め方(後半の誘導大問はいずれも差がつく問題=A

差がつくのは後半の関数・円・空間と、年により前半IIの図形。記述は大問VIの1問だけ(2025年は正四面体の最短経路)

05
数学 / 得点ロードマップ

80点の作り方 ― 単元の役割を分けて、順に積む

この章で分かること どの単元が「土台」でどの単元が「勝負どころ」かが分かり、いつ何をやるかの順路と、教室の解き方の実物1問まで繋がる。

I合格ライン宣言 ― 80点はこう作る

80 合格ラインの目安

合格ラインの目安は、80点に置きます。合格最低点が非公開の学校で、当塾が「ここまで作れれば安心して送り出せる」と置いているラインです。点数はすべて当塾の推定(答えのみ1.0・記述1.5の重みで100点換算)です。

80点は、標準(C・B)と差がつく問題(A)で作ります。標準を全部取ると年度で3555点。そこへAを48問——これがこの学校の80点です。だから、どの単元も同じ深さまで仕上げる必要はありません。土台の単元と、勝負どころの単元を分ける。その割り振りから始めます。

II単元はこう出る ― 土台と勝負どころ

5つの単元が3年間どう出たか。「この単元の役割」の列が、この章の結論の半分です

単元役割と優先度(この順の理由)出るテーマ難易度の出方(42問)
円・平面図形 勝負どころ
◎ 最優先
毎年、最も難しい問題がこの大問(V)。配点も重い。
  • 円と接線の長さ (2025)
  • 長方形・正三角形との融合で面積 (2023)
  • 動く点の軌跡 (2024)
  • 2つの円が接する構図 (2023)
A×5B×1
関数 勝負どころ
◎ 最優先
3年とも差がつく問題(A)。問1が起点。
  • 放物線と直線の交点(文字のまま置く)
  • 三角形の面積条件(二等分・面積指定)(2023・2025)
  • 座標から長さを出す (2024)
A×3B×3
空間図形 勝負どころ+記述
3年ともA。唯一の記述(大問VIの問2)がここ。
  • 立方体の切断——切り口の形と体積 (2023・2024)
  • 正四面体の垂線と最短経路 (2025)
  • 点と面の距離=体積を2通りに書く(記述)(2023)
A×3
確率・場合の数 土台+変動枠
年により2問がAに変化。土台としても落とせない。
  • カードの積の確率(素数・4の倍数)(2023)
  • すごろく型(操作の繰り返し+ルール追加)(2024)
  • 余事象で数える
A×3B×7
数と式・整数 土台
維持
大半が標準(B)。毎日の練習で守る土台。
  • 4項の因数分解(組み替え)
  • 平方数の差 (2025)
  • 指数と余りの周期 (2024)
A×1B×15C×1

表は対策の優先度順(◎→○→維持)。優先度は「難易度の出方 × 配点の重さ」から(当塾判定)。役割: 土台=全員が取る・落とすと即差がつく/勝負どころ=合格者がここで差をつける/変動枠=年により勝負どころとなる。テーマ・帯の数え方は3年42問の実データ(当塾の推定)。この試験にS(手が出ない難問)はありません。

IIIいつ何をやるか ― 3STEP

STEP1
まだ40点台まで

【土台】の単元の穴をゼロにする。大問I(計算)・大問II(小問集合)・大問III(確率)を1問残さず取り切る。

使う教材くもんの中学基礎がため100%(計算編)→ 最高水準問題集プラス 中学数学(文英堂)
到達基準直近3年のどの年度でも、大問I〜IIIを25分で全問正解できる(当塾の練習基準)
STEP2
50〜60点台に乗ったら

【勝負どころ】の単元で、差がつく問題(A)を拾いにいく。円(大問V)・関数(大問IV)・空間(大問VI)——IIの表のテーマを、問1から順に。

使う教材塾で教える高校入試 数学 塾技100(文英堂・新装版)で、IIの表の単元の型を補う
到達基準3年分の大問IV・V・VIの問1(9問)をすべて自力で正解し、問2を各年度2本以上取れる
実物この「拾い方」は、この章の最後に1問だけ実演します
STEP3
70点台からは

年度通しの実戦。50分で解き切り、見切る練習をする。

使う教材円の融合と空間の上乗せが残ったときだけ 最高水準問題集 高校入試 数学(文英堂)・深追い不要
到達基準3年分の過去問を年度通し50分で解き、3年とも80点に届く
中1・2年生へ この順路は受験学年になってからで大丈夫。いまはSTEP1の教材だけ進めてください。

IV差がつく問題(A)を、手順ごと1問だけ開く

STEP 2で拾いにいく「勝負どころ」の単元のうち、円の問題を1問。見た瞬間に型を選ぶ——その判定から完答まで、教室の手順ごと開きます。

うちならこう教える
「勝負どころ」の円を1問、教室の手順ごと開く
目安5分大問Vの円の型と同系・川崎学舎オリジナル類題型:面積を2通りに書く先生の声は夏に収録予定
この1問のねらいIIの表で【勝負どころ】とした円の型です。見た瞬間に「面積さえ出れば、内接円の半径は面積を2通りに書くだけ」と気づけるか。山は、3辺しか分からない三角形の面積をどう出すか——ここが差のつく一歩です。
A B C 13 15 14
問題
3辺の長さが AB=13、BC=14、CA=15 の三角形ABCがある。この三角形の内接円の半径rを求めなさい。(途中の式や考え方も書くこと)
STEP 1
高さを求める(足の位置から)
A B C H x 13 15
頂点AからBCに垂線AHをひき、BH=x とおく
132x2=152(14x)2
高さAHは△ABH・△ACHに共通。2通りに書いて x を出す
x=5AH=13252=12
3辺しかない三角形は、まず高さを作る
先生の声・夏に収録予定
この列には、塾長がこの問題の音声解説を今夏に収録・掲載予定です。それまでは、左の手順を確認してください。
STEP 2
面積を出す
S=12×14BC×12AH=84
STEP 3
面積をもう一通りに書く
I r A B C
3つの三角形に分ける
内接円の中心をI、半径をrとする
S=12×r×(13AB+14BC+15CA)=21r
△IAB+△IBC+△ICA(高さはどれもr)
STEP 4
2つの式を結んで解く
21r=84より
r=4…(答)
面積が同じ1つの三角形の2つの表し方だから、結んで解ける
この1問の持ち帰り
3辺だけの三角形は、垂線を1本引いて高さを出す。面積さえ出れば、内接円の半径は面積を2通りに書くだけ。
この問題で必要な知識
  • 三平方の定理(直角三角形の2辺から残りの辺を出す)
  • 3辺しかない三角形の高さ=垂線の足の位置を文字でおき、連立で決める
  • 内接円の中心は各辺から等距離で、その距離が半径r
  • 面積 S=½×底辺×高さ / 面積を2通りに表して方程式を作る
本番の大問Vは、ここに接線や動く点の条件が乗って一段重くなります。その練習セット=同型の類題演習集(880円)を章末のLINEでご案内しています。分析本体は無料です。
塾長所見

あなたの得点を最も大きく動かすのは、差がつく問題(A)の正答率です。IIの表で「勝負どころ」とした円・関数・空間——場所は明確になっています。落とした問題は、同じ型の反復で必ず拾えます。今日やることを1つだけ選ぶなら、いまの点数のSTEPの到達基準を、過去問で1回測ってみてください。

この章の結論

80点=標準3555点+差がつく問題(A)48問。単元を「土台」と「勝負どころ」に分けて作る

順路は3STEP。勝負どころのテーマはIIの表に名指しした(実演1問は章の最後

06
数学 / よくある質問

よくある質問 ― 受験生と保護者の6つの疑問に答える

この章で分かること 先取り・過去問・公立との併願から、いまの点数・独学・記述の部分点まで、6つの疑問に答えが出る。

Iよくある6つの質問

Q高校範囲の先取りは必要ですか?
A先取りは要りません。直近3年の問題は、すべて中学範囲の正攻法で解けます。範囲外の知識が必要な問題は、3年間で0問でした(当塾の分析)。だから先取りに時間を使うより、いま習っている型を正確に速く使えるようにするほうが、点に直結します。積むべきは、範囲外の知識ではなく範囲内の精度です。
Q過去問は何年分やればいいですか?
A直近3年分を、繰り返し解くだけで足ります。大量の年数をこなす必要はありません。理由は、出題の場所が動かないからです。因数分解や連立方程式(大問I)、確率(大問III)、放物線(大問IV)、円(大問V)、空間図形(大問VI)——毎年ほぼ同じ場所に同じ型が並びます。年数を増やすより、同じ3年分で(1)を落とさなくなるまで往復するほうが効きます。
Q神奈川公立との併願でも、両立できますか?
A両立できます。土台になる中学数学の力は共通だからです。神奈川の公立入試は全問マーク式、法政第二は答えのみを書く形式で、記述は毎年1問だけ(大問VIの問2)です。切り替えるのは、誘導つきの大問への入り方です。前の小問の答えを次に使う大問(IV・V・VI)は、問1から順に積む練習だけ、法政第二向けに足してください。土台の演習は、そのまま公立対策と兼ねられます。
Qいま中3の秋で50点です。間に合いますか?
A50点は、05章でいうSTEP2の入口です。秋にこの位置なら、順路はこう組めます——まず4週間で標準(大問I〜III)の取りこぼしを閉じ、11月から05章のSTEP2——「勝負どころ」(円・関数・空間)を名指しで拾い、冬は年度通しの演習に入る。1〜2月の過去問で80点に乗せる設計そのものは、組めます。ただし、間に合うかどうかは演習量と精度しだいで、ここで保証はできません。決められるのは、残りの時間をどの順に使うかです。
Q塾に行かずに受かりますか?
A独学で届く範囲は、はっきりあります。標準27問は、市販の教材(05章の教材)で十分に固められます。線が引けるのは、その先です。05章の「勝負どころ」(大問IV・V・VI)の、後半チェーンの「誘導の踏み方」(問1の答えをどこで使うか)と、記述1問(大問VIの問2)の答案は、見てくれる人がいるほうが速く仕上がります。独学で届く範囲と、人の目が効く範囲を分けて考えると、時間の使い方を決めやすくなります。
Q記述の部分点はどれくらいもらえますか?
A部分点の出方は公表されていないため、何点もらえるかは断言できません。分かっているのは重みです。当塾の推定配点では、記述1問(大問VIの問2)を、答えのみの問題の1.5倍の重みで置いています。推定の上では、それだけ重い1問だということです。だから、答えだけで止めず、途中式を最後まで書き切る練習に価値があります。
塾長所見

ここまで読んでくれて、ありがとう。法政第二の数学は、才能で決まる試験ではありません。初めて見て解ける必要がある問題は0問、範囲外の知識が要る問題も0問。正しく努力した子が、正しく届く試験です。前半の大問を落とさず、誘導つきの大問を問1から積み、記述で途中式を書き切る。そのいつも通りを、淡々とやり切ってください。あなたが3年分でやってきたことは、必ず本番の点になります。落ち着いて、いってらっしゃい。

この章の結論

先取りは要らず、過去問は直近3年分の周回で足りる(範囲外の知識が要る問題は3年で0問)

当日は前半の(1)を落とさず、誘導つきの大問を問1から積み、記述で途中式を書き切る(記述は大問VIの1問だけ)

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執筆・監修:今村駿斗(川崎学舎 塾長)
川崎駅の少人数制進学塾・川崎学舎の塾長。早慶・MARCH附属を志望する生徒を毎年指導し、法政第二をはじめとする附属校入試の過去問を1問ずつ分析してきました。本記事はその実データにもとづき、法政第二の数学を「どこで差がつくか」「何を固めれば80点に届くか」の視点で書いています。
本記事のデータについて
本記事の配点・難易度・深さ・時間配分は、すべて当塾による推定値です。問題文・図の転載は行っていません。入試結果・進学実績の数値は、法政大学第二中・高等学校 公式サイトの公表値に基づきます(2026年7月確認)。
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