過去問分析明治大学付属明治高等学校数学 全問分析 全問分析・無料公開
明治大学付属明治高等学校 数学 一問が長く、手数も発想も要る。重い問題を最後まで運び切る持久力の試験。 分析対象: 更新 明治大学付属明治高等学校の分析トップへ 測り方
数学 / 入試分析完全版

明治大学付属明治高等学校 数学 入試分析完全版

川崎学舎 / 入試分析 | 3年分(2024・2025・2026)を1問ずつ判定 | 配点・難易度・深さはすべて当塾による推定値

3年分・全46問を1問ずつ分析。 川崎学舎による推定値
28
誘導なしで、自力で答える問題(46問中)
大問1(15問)+誘導つきの大問の起点12問+2024年度大問4-1(独立小問)。誘導される側の問題は18問(39.1%)
0
最上位の問題(SS帯)
3年間を通じて一度も出ていません。ただし一段下のS帯は7問(15.2%)存在します
22
差がつく問題(A帯)
46問中47.8%で最多。標準(C・B帯)17問を上回ります
70
目標ライン(当塾試算)の目安
塾長確定値(2026-08-27)。段1=標準(C・B帯)=推定配点の40.7%を取り切ったうえで、A帯の一部を積んで50点。段2=同じA帯をさらに積んで70点。二段構成
3年分を合計すると、46問のうち 22問 が「差がつく」A帯。標準(C・B帯)は17問にとどまり、A・S帯だけで29問(63.0%)を占めます。手が出ない問題(S帯)は7問(15.2%)、その一段上のSS帯は3年間で0問です。

明治大学付属明治高等学校の入試は、標準問題(C・B帯)だけでは得点が伸びきらない試験です。3年間・46問のうち、差がつく問題(A帯)が22問・47.8%で最多を占め、手が出ない問題(S帯)も7問・15.2%存在します。標準(C・B帯)はわずか17問・37.0%にとどまり、A・S帯が主役という構成です。しかも46問中31問(67.4%)が「記述」形式――最終値だけでなく、そこに至る式や考え方を書くこと自体が得点になります。

過去問を見た。色々な記事を見た。でも、難しいことは分かった。具体的にどう難しいのか、どんな大問がどんな難しさで出るのか、そしてどこをどう対策すればいいのかは分からない。本気で明治大学付属明治高等学校に合格しにいく。そんな受験生のために、この記事を作りました。3年分・46問の全問分析をもとに、入試の分析から、これからの勉強の方針までお伝えします。

保存 一度で読み切らなくて大丈夫。ブックマークして、過去問を解くたびに戻ってきてください。
この記事で分かること ― 全6章
01明治大学付属明治高等学校の正体 ― どんな子が、受かるか
条件整理と記述力が問われる根拠と、6つの軸で見る出題傾向
02難易度の物差し ― 30秒だけ準備
難易度表C〜Sの見方と、「標準=CとB」の説明
03どの大問が、どう出るか
大問の構成は3年間固定。ただし中身の分野は年度でローテーションする
04大問別カルテ ― 5つの大問を1つずつ見る
大問ごとに1問分析。川崎学舎オリジナルの類題付き
05目標ライン(当塾試算)の作り方 ― 大問の役割を分けて、順に積む
大問の役割(土台・勝負どころ・変動枠)と、いつ何をやるかの順路、教室の解き方の実物1問まで
06よくある質問
先取り・過去問・記述対策から、独学・公立併願まで6つ
01
数学 / 入試分析

明治大学付属明治高等学校の正体 ― どんな子が、受かるか。

この章で分かること 明治大学付属明治高等学校の数学で必要なのは、出そうな分野を読む勘よりも、初めて見る条件を自分で式や図に組み立て、それを記述で最後まで正確に書き切る力だと分かる。

I診断

明治大学付属明治高等学校の数学は、「差がつく問題(A・S帯)にどれだけ食らいつけるか」で得点が決まる試験です。3年分・46問を1問ずつ分析しました。数字で見ていきましょう。

28
誘導なしで、自力で答える問題(46問中)
うち15問は大問1の独立小問集合(5問×3年)。残り13問は大問2〜5の誘導つきの大問の起点(1問目)と、2024年度大問4-1(独立小問)です。誘導される側の問題は18問(39.1%)にとどまります
7
試験当日、手が出ない問題(S帯・46問中)
15.2%を占め、大問3(2026年度2問)と大問5(2024・2026年度で計5問)に集中しています。最上位のSS帯は3年間を通じて一度も出ていません。このうち大問3・大問5に集中する分は、同じ大問の中で前問の結果を次問が使う誘導のつながりになっており、S帯だからと機械的に捨てると後続の設問まで失点が連鎖します。捨てる・取るの判断は、過去問演習で誘導の接続を確認したうえで決めてください。
17
標準問題(C・B帯・46問中・約4割)
標準は46問中17問(37.0%)にとどまり、差がつく問題(A・S帯)29問(63.0%)の方が多い構成です
早慶・MARCHをはじめとする私立高校の入試問題を1問ずつ分析し、同じ基準で難易度順に並べて比べています(当塾分析)。その物差しで見ると、明治大学付属明治高等学校の平均的な1問の難しさは2.78/5です。差がつく問題(A・S帯)は46問中29問・63.0%を占め、標準(C・B帯)17問を上回る厚みを持ちます。

II6つの軸で見る出題傾向

上段 ― バーの伸びで読む(左が0起点/縦線=全体の平均)
問題の難しさ 2.78/5平均 2.78
5
手が出ない問題の割合 15.2%平均 24.1%
30%
1問の重さ 5.36平均 5.04分
8分

数字は当塾の推定です。右端の数字は各軸の目盛りの上限。「手が出ない問題の割合」はS+SS帯の問題数の割合(46問中の実数)。「1問の重さ」は、誘導つきの大問はまとめて1つと数えたときの、1つのまとまりに使える持ち時間です(50分×3年度=150分÷28)。明治大学付属明治高等学校は46問中31問(67.4%)が「記述」形式のため、記述の割合は本ゲージでは扱わず、04章末尾の別枠で詳しく取り上げています。

下段 ― どちらに寄るかで読む(中央=全体の平均/目盛りは中央から±40%)
計算・作業の量 平均より 11% 重い側
軽い重い
ひらめきの必要度 平均より 9% 重い側
軽い重い
自力で方針を立てる場面 平均より 14% 重い側
軽い重い

数字は当塾の推定です。計算・作業の量とひらめきの必要度は0〜100の指数(全体の平均=48.9)、自力で方針を立てる場面は誘導なしで解く設問の割合(実測60.9%・全体の平均=46.9%)。3軸とも平均より重い側にあり、中でも自力で方針を立てる場面の乖離が最も大きい構成です。

塾長所見

この分析から見えるのは、対応する分野を当てにいく試験ではなく、初めて見る条件を自分で構成し、それを記述で正確に書き切る「重厚型(構成×記述)」の入試だということです。差がつく問題(A・S帯)は46問中29問・63.0%を占め、その中身は単発のひらめきよりも、放物線と直線・空間図形の切断のような設定を自分で式や図に組み立てる力で決まります。計算・作業の量とひらめきの必要度はいずれも全体平均を上回り、誘導なしで自力で方針を立てる場面も実測60.9%と全体平均46.9%を14ポイント上回ります。実際、全46問中45問(97.8%)の誘導は、前の設問の結果を使って作業を段階的に進めさせる型で統一されており(前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられる型は2024年度大問2-2の1問のみ)、設問を惑わせる要素は「条件見落とし」(15問・55.6%)が最多です。

この章の結論

受かるのは、初めて見る条件を自分で式や図に組み立て、記述で最後まで正確に書き切れる子(誘導なしで自力で答える問題は28問・全体の60.9%)

差がつく問題(A・S帯)が46問中29問・63.0%を占め、標準の完成度だけでは得点が伸びきらない試験

02
数学 / 難易度の物差し

難易度の物差し ― 30秒だけ準備する

この章で分かること 問題の難しさを、やさしい(C)・ふつう(B)・差がつく(A)・手が出ない(S)の4段階で測る、以後共通の物差しが分かる。

I難しさは4段階で測る

この記事で使う難しさの物差しを説明します。30秒で掴みましょう。

難易度の物差し ― 4段階(当塾判定)
Cやさしい学校のテキストに出てくるレベルが目安。習えば誰でも取れる問題(3年で3問)。
Bふつう塾で勉強する問題集(1周目のテキスト)に出てくるレベルが目安。標準問題の中心(3年で14問)。
A差がつく中3・9月以降の入試演習で扱う応用問題のレベルが目安。この試験で最も厚みのある層(3年で22問)。
S手が出ない私立難関TOP校で出題されるレベルが目安。3年で7問と、一定の厚みがあります。
標準とはこの記事ではCとBを指します。ここまで「標準問題」と呼んできたのも、この意味です。

II3年間、46問の出題難易度を比べると

物差し 問題数 ひとことで
C やさしい 3 3年でわずか3問。大問1の一部に限られる。
B ふつう 14 標準問題の中心。大問1・2に厚い。
A 差がつく 22 最多の層。大問3〜5の中心層。
S 手が出ない 7 大問3・5に集中(3年で7問・15.2%)。

3年分・46問の内訳(当塾の推定)。標準(C+B)は46問中17問・約37%にとどまり、差がつく問題(A+S)が29問・約63%と、標準を上回る厚みを持っています。年度別に見るとS帯比率は2024年度13.3%→2025年度0.0%→2026年度33.3%、A帯比率も2024年度40.0%→2025年度62.5%→2026年度40.0%と、年度によって大きく揺れます。「毎年同じ配分」という前提は成り立ちません。

Qこの物差しは、どうやって決めたのですか?
A早慶・MARCHをはじめとする私立高校の入試問題を、川崎学舎が1問ずつ実際に解き、同じ基準で難易度順に比較しています。C〜Sの割り当てはその結果です。なお、配点は公開されていないため(全問【推定】)、難易度も深さも当塾の推定です。入試の基本情報は学校公式サイトの公表値によります。
この章の結論

難しさの物差しはC〜Sの4段階。以後の章は、この物差しで読める

標準=CとB(17問)。差がつく問題(A+S)は29問と、標準を上回る厚みを持つ試験

03
数学 / 出題傾向

どの単元が、どう出るか ― 大問の構成は固定、中身の分野は年度で動く

この章で分かること 明治大学付属明治高等学校の数学は、大問の構成(1〜5・各年5大問)こそ3年間固定だが、大問2〜5の中身(分野)は年度でローテーションする。だから大問ごとに、年度別の中身を確かめながら読む。

I5つの大問と単元の一覧

明治大学付属明治高等学校の大問構成は、位置(大問1〜5)こそ3年間動きませんが、大問2〜5の中身(分野)は年度によって入れ替わります。たとえば大問3は、2026年度は「放物線と直線」(S帯)ですが、2025年度は「切断」(A帯)、2024年度は「放物線と直線」(A帯)でした。大問の位置だけで対策を立てると、分野の入れ替わりと難度の振れ幅を見落とします。そこでこの記事では、5つの大問を1つずつ、年度別の中身とあわせて説明します。

大問ごとにまとめれば、どの大問が、どのくらいの割合で、どんな難しさで出るかが年度をまたいで見えます。まずは5つの大問を、1つずつ見ていきましょう。

大問単元問われている力難易度の出方
I
大問1:独立小問集合(数と式・関数・図形・データの活用を横断・誘導なし)
毎年出題(15問=5問×3年度)。分野は年度により入れ替わりますが、誘導ゼロという出題形式は3年間動きません。2024・2025年度は最後の設問(1-5)がA帯ですが、2026年度は1-5がB帯に低下し、代わりに1-4がA帯になっています。
幅広い分野を、ヒントなしで自力に処理する力 C B A
II
大問2:2026年度=二次方程式/2025年度=二次方程式/2024年度=式の展開・因数分解→整数の性質
毎年出題される2問の誘導つきの大問です。2024年度は3年間で唯一、前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられる誘導(前問の因数分解結果をそのまま次の設問へ流用)が使われ、2025・2026年度はいずれも、前の設問の結果を使って作業を段階的に進めさせる型です。難度はB帯(2024・2025年度)からA帯(2026年度)へ動いています。
誘導の型(前の結果を使う型か、ヒントが与えられる型か)を見極めて、前問の結果を正しく引き継ぐ力 B A
III
大問3:2026年度=放物線と直線(S帯)/2025年度=切断(A帯)/2024年度=放物線と直線(A帯)
毎年出題される、誘導つきの大問です。8問全てがA帯かS帯で、B・C帯は一度も出現しません。2026年度は2問ともS帯(大問3の3年間の中では唯一の全問S帯年度)です。
初見の設定(切断・放物線と直線の複合)から、自力で構成を組み立てる力 A S
IV
大問4:2026年度=求積・面積比→相似→三平方の定理/2025年度=二次関数→角度・合同→相似/2024年度=確率(独立1問+誘導2問)
毎年出題される、9問中8問がA帯の大問です。唯一の例外は2024年度4-1(確率・C帯)で、これだけが大問4の中で独立小問として単独に出題されました。
複数分野の定石を組み合わせて、誘導つきの大問を最後まで運ぶ力 C A
V
大問5:2026年度=空間内の距離・最短経路→求積・面積比(S帯中心)/2025年度=関数と図形の融合→求積・面積比(A帯)/2024年度=切断(S帯)
毎年出題される、8問全てがA帯かS帯の大問です。3年間でS帯7問のうち5問がこの大問(2024年度2問・2026年度3問)に集中しています。
空間図形や関数の複合設定を、誘導の受け手側まで正確に運びきる力 A S

5つの大問はいずれも毎年出題されます(大問数は3年とも5)。ただし大問2〜5は年度ごとに中身の分野が入れ替わります。難易度は当塾の推定・3年分。

5つの大問を見ると、傾向がはっきりします。大問1は出題数が多く標準(C・B)中心ですが、大問3・5は全問がA帯かS帯。大問2は分野・難度ともに3年間で最も動く枠で、大問4はほぼA帯ながら2024年度のみ独立小問(4-1)にC帯が混ざります。「毎年出る土台」と「動かない勝負どころ」と「年度で振れる枠」がはっきり分かれているのが、この学校の構成です。

II3年46問を大問ごと、難易度別で比較

大問の割合(3年・46問/当塾分析)
大問115問・32.6%
大問26問・13.0%
大問38問・17.4%
大問49問・19.6%
大問58問・17.4%

数えたのは、この記事の判定と同じ3年・46問です(当塾分析)。大問1だけで全体の32.6%を占め、大問4(19.6%)・大問3(17.4%)・大問5(17.4%)がそれに続きます。出題数の多い大問1で確実に得点を積み、大問3・4・5の差がつく問題にどれだけ手を伸ばせるかで差がつく構成です。

大問の性格が見えたところで、3年46問全てを大問ごと、難易度で比べます。大問1は標準(C・B)中心、大問3・5はA帯かS帯のみで占められているのが一目で分かります。

単元(大問)CBAS
大問1 2103· 15
大問2 ·42· 6
大問3 ··62 8
大問4 1·8· 9
大問5 ··35 8
計(3年・判定した問題数) 314227 46

大問によって難易度がくっきり分かれます。大問3・5はA帯かS帯のみ、大問4も9問中8問がA帯です。標準(C・B帯)が出るのは大問1・2・4の一部に限られます(当塾判定・3年分)。

III差がつく問題(A・S)は、どの大問で出たか

差がつく問題(A・S帯)について詳しく見ていきましょう。46問中29問がA・S帯で、63.0%を占めます。出題は下の13か所。3年分そのまま並べます。

場所単元
2024大問1-5求積・面積比【参考/要確認】
2024大問3(誘導つき)放物線と直線
2024大問4(誘導つき)確率
2024大問5(誘導つき)切断
2025大問1-5資料の活用・統計
2025大問3(誘導つき)切断【参考/要確認】
2025大問4(誘導つき)二次関数・角度合同・相似【参考/要確認】
2025大問5(誘導つき)関数と図形の融合
2026大問1-4三平方の定理
2026大問2(誘導つき)二次方程式
2026大問3(誘導つき)放物線と直線
2026大問4(誘導つき)求積・面積比・相似・三平方の定理
2026大問5(誘導つき)空間内の距離・最短経路・求積面積比

差がつく問題(A・S帯)の出題は上の13か所(誘導つきの大問は1行にまとめています)。大問3・5はほぼ全てがA・S帯、大問1は3年で3か所(各年度1か所ずつ)、大問2は2026年度のみA帯という構成です(当塾判定)。

大問3・5は、分野が入れ替わっても出題されればほぼ確実にA帯以上という点が読み取れます。大問1はA帯が3年間とも1問(2024・2025年度は1-5、2026年度は1-4)で安定しており、大問2は2026年度だけA帯へ動きました。頻出の大問は、どの分野が出ても対応できる状態を作っておく必要があります。

IV頻出単元のテーマ分析 ― どのテーマが来ても解けるように

大問の位置は年で入れ替わりませんが、大問の中のテーマは毎年動いています。3年間の実物を大問ごとに並べると、その回りかたが見えます。

頻出単元 × 3年間に出たテーマ(当塾分析)
大問1(独立小問・毎年出題)数と計算・平方根、二次関数、資料の活用・統計、一次・連立方程式、円、放物線と直線、整数の性質、三平方の定理、場合の数、式の展開・因数分解を横断する小問群。年度ごとに顔ぶれは入れ替わりますが、誘導なしという出題形式は3年間動いていません。2024・2025年度は最後の設問(1-5)がA帯ですが、2026年度は1-5がB帯に低下し、代わりに1-4がA帯になっています。
大問2(毎年出題・誘導つき2問)式の展開・因数分解→整数の性質(2024年度・B帯・唯一、前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられる誘導)→二次方程式(2025年度・B帯)→二次方程式(2026年度・A帯)。分野も難度も年度で動いた枠です。
大問3(毎年出題・全問A/S帯)放物線と直線(2024年度・A帯)→切断(2025年度・A帯)→放物線と直線(2026年度・S帯)。分野は行き来しつつ、難度は常にA帯以上です。
大問4(毎年出題)確率(2024年度・独立小問はC帯、誘導つきの設問はA帯)→二次関数・角度合同・相似(2025年度・A帯)→求積面積比・相似・三平方の定理(2026年度・A帯)。分野は毎年総入れ替わりですが、2024年度の独立小問以外はすべてA帯です。
大問5(毎年出題・全問A/S帯)切断(2024年度・S帯)→関数と図形の融合・求積面積比(2025年度・A帯)→空間内の距離・最短経路・求積面積比(2026年度・S帯)。分野は替わっても、難易度はA帯以上のまま変わりません。

どの大問も「同じテーマの再演」ではなく、大問の中でテーマが回っています。だから頻出の大問は、テーマを選ばず解ける状態まで仕上げる――これが明治大学付属明治高等学校の大問対策の結論です。

Vくり返し出る、解き方の型(6本)

最後に、大問をまたいで繰り返し顔を出す「型」を6つまとめます。大問は違っても、失点の起きやすいポイントは共通しているものが多いです。先に体になじませておくと、大問ごとの対策が早くなります。

頻出の型 ― 6本 印刷して机に貼る
記述67.4%――部分点を活かすには、途中式を最後まで書き切る(46問中31問)。最終値がずれても、途中の式や考え方が採点者に伝われば得点になる。方針が見えた時点から省略せず書く練習をする。
誘導は、前の設問の結果を次で使う型が97.8%を占める(誘導つき39.1%)。ただし2024年度大問2の1問だけは3年間唯一、前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられる型(前問の結果をそのまま次の設問へ流用)。前問を解いたら、その方法を一度言葉にしてみる。
空間図形「切断」は、観測できた3年間では出るたびすべてA帯以上(3年で5問、全てA帯かS帯。将来も必ずそうなるという保証ではありません)。一方「放物線と直線」は同じ分野でもB帯からS帯まで最も幅広く散らばる(3年で6問)。切断は優先度を高く、放物線と直線は広く構える。
誤答トラップの最多は条件見落とし(15問)(誤答トラップ付きは46問中27問=58.7%。条件見落とし15問はその27問の内訳での最多=55.6%・当塾判定)。文章題・整数条件・場合分けは、読んだままではなく、書き出してから解き始める。
当塾の推定では、各年度で落とすと最も痛い1問は誘導の受け手側(誘導つき・【推定】)。誘導の起点だけでなく、2問目・3問目まで気を抜かない。
図形を伴う設問の比率は年度で変動(40.0%→68.8%→60.0%)。空間操作(切断・回転)は2025年度に集中する年もある。図形処理の演習量は年ごとの傾向にあわせて調整する。

実物の手ざわりは、次章の大問別カルテで確かめられます(各大問に1問ずつ、川崎学舎オリジナルの類題つき)。→ 大問別カルテへ進む

この章の結論

大問の構成(1〜5)は3年間固定(各年5大問)だが、大問2〜5は中身の分野が年度でローテーションする

差がつく問題(A・S)は大問3・5に集中して安定。大問1・2は年度によって難度が大きく動く

04
数学 / 大問別分析

大問別カルテ ― 5つの大問を1つずつ見る ― どこを固め、どこで差をつけるか

この章で分かること 大問1〜5を1つずつ見ていく。それぞれの大問で何が問われ、どこを確実に取り、どこで差がつくかが大問別に決められる。

50分の使い方

明治大学付属明治高等学校の数学は、100点満点・50分・大問5つ(3年間とも固定)。誘導つきの大問はまとめて1つ、独立の小問は1問ずつと数えると、解くまとまりは3年間で28。1つのまとまりに使える時間は、当塾の推定でおよそ5.36分です(50分×3年度=150分÷28)。誘導される問題数は46問中18問(39.1%)です。誘導の中身は、前の設問の結果を使って作業を段階的に進めさせるものが46問中45問(97.8%)とほとんどで、前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられるものは、2024年度大問2の1問のみです。

試験50分の時間配分(当塾の推定・大問の重さに応じた目安)
大問1〜14分
大問2〜6分
大問3〜10分
大問4〜9分
大問5〜9分
予備〜2分

分数は当塾の推定(実測は非公表。各大問の設問数と難度の重さから当塾が置いた目安です)。大問1を素早く固め、大問3・4・5の誘導つきの大問に考える時間を確保する配分です。予備の2分はごくわずかですが、記述式が中心の試験のため、普段の演習から検算・見直しの手を止めない習慣をつけておいてください。

この章の「当塾判定」は、川崎学舎が3年分を実際に解いて付けた評価です。二つの系統があります。難易度のC〜S(物差しの決め方は02章)は、当日その問題を落としやすいかを4段階で表したもの。各大問の「この大問の特徴」の5点満点は、難しさの中身を5つの観点で表したもので、難易度そのものではありません。明治大学付属明治高等学校は大問の構成(1〜5)が3年間固定ですが、大問2〜5は年度ごとに中身の分野が入れ替わります。下の表の「設問1」「設問2」…は、その大問でその年に出た設問を出題順に並べたもので、大問内の通し番号とは対応していません。なお、46問中8問は、当塾の品質チェック(判定の信頼度確認)で軽度の留保が付いた帯判定です。該当箇所には「参考/要確認」と注記していますが、帯(C〜S)自体は確定値として採用しています。

5つの大問を1つずつ見る(3年分の設問構成)

I大問1 ― 独立小問集合(数と式・関数・図形・データを横断)

3年間、毎年出題される独立小問群です(15問=5問×3年度)。分野は年度によって入れ替わり、2024年度は数と計算・関数・データの活用が中心、2025年度は方程式・図形・関数・データの活用の5分野、2026年度は方程式・整数・関数・図形・場合の数の5分野が出そろいました。誘導は一切なく(15問すべてが誘導なし)、1問ずつ独立に完結します。難易度はB帯中心で、2024・2025年度は最後の設問(1-5)がA帯ですが、2026年度は1-5がB帯に低下し、代わりに1-4がA帯になっています。

大問1・年度設問1設問2設問3設問4設問5
2024 B数と計算・平方根B数と計算・平方根B二次関数B資料の活用・統計A求積・面積比【参考/要確認】
2025 B一次・連立方程式C式の展開・因数分解B円(円周角・接線)B放物線と直線A資料の活用・統計
2026 C一次・連立方程式【参考/要確認】B整数の性質B二次関数A三平方の定理B場合の数

2026年度は5問中1問のみA帯(1-4)、2024・2025年度も1問のみA帯(各年度の1-5)でした。2024・2025年度は最後の設問(1-5)がA帯でしたが、2026年度は1-5がB帯に低下し、代わりに1-4がA帯になっています(当塾判定・3年分)。【参考/要確認】の2セルは、当塾の品質チェック(判定の信頼度確認)で軽度の留保が付いたものです。帯は採用のうえ参考としています。

この大問の特徴(当塾判定・5点満点) 3年間の傾向
計算の量 軽い〜中程度。分野ごとに手数の差が大きい
正確さの要求 平方根・因数分解の途中でのミスがそのまま失点になる
条件の整理 分野が毎年入れ替わるため、何の型かを見極める作業が要る
解き方選び 10分野近くを横断するので、型の引き出しの数がそのまま勝負になる
ひらめき ほぼ不要。型が見えれば手が動く(ただし2024・2025年度の1-5、2026年度の1-4だけは別)

大問1は、46問の中で最も出題数が多い土台の大問です。分野が毎年入れ替わるからこそ、幅広い分野の基礎を穴なく仕上げておく必要があります。

よくあるミス:符号ミス、場合分けの見落とし、変域の端点の選び違い。

B ふつう:二次関数の変域から、係数aを求める 目安 3分

関数y=ax²について、xの変域が-2≦x≦3のとき、yの変域が0≦y≦18となるようなaの値を求めなさい。ただしa>0とする。

書き込み欄
答えと解説を見る
a=2

a>0のとき、y=ax²は下に凸の放物線で、変域が0を含む区間では最小値はx=0のときy=0。最大値はxの絶対値が大きい方の端点で決まる。|-2|=2、|3|=3なので、x=3のときyが最大になる。y=18のときのaを求めると、18=a×3²=9a、a=2。検算:x=-2のときy=2×4=8(0以上18以下でOK)、x=3のときy=2×9=18で一致。

出典:大問1(二次関数の変域)と同系・川崎学舎オリジナル類題

II大問2 ― 2026年度=二次方程式/2025年度=二次方程式/2024年度=式の展開・因数分解→整数の性質

毎年出題される、誘導つきの大問(2問)です。2024年度は「式の展開・因数分解」から「整数の性質」へつながる誘導で、3年間で唯一、前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられるもの(前問の因数分解結果をそのまま次の設問へ流用する誘導)が使われました。2025・2026年度はいずれも二次方程式の応用で、誘導は前の設問の結果を次で使う型です。難度は2024・2025年度がB帯、2026年度はA帯でした。

大問2・年度設問1設問2
2024 B式の展開・因数分解B整数の性質(ヒントが与えられる型の誘導)
2025 B二次方程式B二次方程式
2026 A二次方程式A二次方程式

2024年度はB帯(2問目は3年間で唯一、前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられる誘導)、2025年度もB帯、2026年度はA帯でした(当塾判定・3年分)。低信頼の問はありません。

この大問の特徴(当塾判定・5点満点) 3年間の傾向
計算の量 中程度。二次方程式の展開・整理に手数がかかる
正確さの要求 符号・係数の写し間違いがそのまま失点になる
条件の整理 2024年度は前問の結果をどう使うかの読み取りが要る
解き方選び 誘導の型(前の結果を使う型か、ヒントが与えられる型か)を見極める場面がある
ひらめき 軽め。誘導に沿えば大きく崩れにくい

大問2は、誘導の「型」そのものが年度で変わりうる大問です。前問の結果を「そのまま使う」のか「別の作業に活かす」のかを、設問文から見極める練習をしておきます。

よくあるミス:前問の結果の転記ミス、因数分解の符号違い。

A 差がつく:因数分解の結果を、不定方程式へ流用する 目安 5分

x,yを正の整数とする。x²-y²+3x-3y=14を満たすx,yの組をすべて求めなさい。(ヒント:左辺は(x-y)と(x+y+3)の積に因数分解できる)

書き込み欄
答えと解説を見る
(x,y)=(3,1),(6,5)

x²-y²+3x-3y=(x-y)(x+y)+3(x-y)=(x-y)(x+y+3)=14。x,yが正の整数なのでx+y+3≧5、かつ積が14(正)なのでx-yも正。14=1×14=2×7の2通りに絞られる(7×2は第2因子が5未満で不適、14×1も同様)。(x-y,x+y+3)=(1,14)のときx=6,y=5。(2,7)のときx=3,y=1。検算:(6,5)→36-25+18-15=14、(3,1)→9-1+9-3=14でいずれも一致。

出典:大問2(2024年度・因数分解→整数の性質の、ヒントが与えられる型の誘導)と同系・川崎学舎オリジナル類題

III大問3 ― 2026年度=放物線と直線(S帯)/2025年度=切断(A帯)/2024年度=放物線と直線(A帯)

毎年出題される、誘導つきの大問です(2026年度は2問、2024・2025年度は3問)。8問全てがA帯かS帯で、B・C帯は一度も出現しません。2026年度は2問ともS帯で、大問3の3年間(2024・2025・2026年度)の中では2026年度が唯一の全問S帯年度です。

大問3・年度設問1設問2設問3
2024 A放物線と直線A放物線と直線A放物線と直線
2025 A切断【参考/要確認】A切断【参考/要確認】A切断【参考/要確認】
2026 S放物線と直線S放物線と直線

2024年度はA帯(放物線と直線・誘導つき3問)、2025年度もA帯(切断・誘導つき3問)、2026年度はS帯(放物線と直線・誘導つき2問)でした(当塾判定・3年分)。2025年度の3問【参考/要確認】は、当塾の品質チェック(判定の信頼度確認)で軽度の留保が付いたものです。帯(A)は構造から確定済みです。当塾の推定では、2025・2026年度はいずれもこの大問の2問目(誘導の受け手側)が、その年度で落とすと最も痛い1問でした【推定】。

この大問の特徴(当塾判定・5点満点) 3年間の傾向
計算の量 中程度。展開図・座標の計算が複数手順にわたる
正確さの要求 図の読み違い・展開の1手のミスが後続すべてに響く
条件の整理 分野が年で入れ替わるため、条件を毎回ゼロから読み直す必要がある
解き方選び 座標・展開図・比のどれで攻めるかを自分で決める場面が多い
ひらめき 重い。初見の設定を自分の言葉(式・図)に翻訳する場面がある

大問3は、この学校で最も「今年は何が出るか読めない」大問の1つです。分野を的中させる勝負ではなく、初見の分野が来ても自分で構成を組み立てる姿勢を仕込んでおくべき大問です。

よくあるミス:条件の読み落とし、場合分けの見落とし、展開図の描き間違い。

A 差がつく:放物線上の2点と、原点を通る面積二等分線 目安 6分

放物線y=x²上に2点A(-1,1)、B(3,9)がある。直線ABの式を求めなさい。さらに、原点Oを通り△OABの面積を2等分する直線の式を求めなさい。

書き込み欄
答えと解説を見る
直線AB:y=2x+3、面積二等分線:y=5x

直線ABの傾きは(9-1)/(3-(-1))=8/4=2。y-1=2(x+1)より y=2x+3。△OABの面積を、頂点Oを通る直線で二等分するには、その直線が辺ABの中点を通ればよい(中線は三角形の面積を二等分する)。ABの中点M=((-1+3)/2,(1+9)/2)=(1,5)。直線OMは原点(0,0)と(1,5)を通るのでy=5x。検算:直線y=5xがx=1でy=5となり、Mの座標と一致。

出典:大問3(放物線と直線)と同系・川崎学舎オリジナル類題

IV大問4 ― 2026年度=求積・面積比→相似→三平方の定理/2025年度=二次関数→角度・合同→相似/2024年度=確率

毎年出題される大問です。誘導つき3問の年度が多い中、2024年度だけは独立小問(4-1・確率)+誘導つき2問(4-2・4-3)という混在構成でした。9問中8問がA帯で、唯一の例外は2024年度4-1(確率・C帯・独立小問)です。

大問4・年度設問1設問2設問3
2024 C確率(独立小問)A確率(誘導つき)A確率(誘導つき)
2025 A二次関数【参考/要確認】A角度・合同【参考/要確認】A相似【参考/要確認】
2026 A求積・面積比A相似A三平方の定理

2026・2025年度は3問ともA帯、2024年度は独立小問(4-1・確率)がC帯、誘導つきの4-2・4-3がA帯という唯一の混在年度でした(当塾判定・3年分)。2025年度の3問【参考/要確認】は、当塾の品質チェック(判定の信頼度確認)で軽度の留保が付いたものです。帯(A)は構造から確定済みです。

この大問の特徴(当塾判定・5点満点) 3年間の傾向
計算の量 重い。座標・辺の長さ・場合の数を複数手順にわたって求める
正確さの要求 誘導の1問目でつまずくと後続がすべて崩れる
条件の整理 分野が年ごとに総入れ替えのため、設定を毎回読み直す必要がある
解き方選び 確率・関数・図形いずれで来ても対応できる幅が要る
ひらめき 中程度。定石の組み合わせ方に気づけるかが分かれ目

大問4は、分野が確率から関数・図形へ替わっても難度がほぼ動かない大問です。定石(相似・三平方の定理・場合分け)を単発で覚えるのではなく、組み合わせて使う練習を積んでおきます。

よくあるミス:場合の数え漏れ、誘導(1)のミスの後続への持ち越し。

A 差がつく:直角三角形の相似と三平方の定理で、垂線の足を求める 目安 5分

△ABCにおいて、∠C=90°、AB=13cm、BC=5cmとする。頂点Cから辺ABに垂線を下ろし、その足をHとする。CHの長さと、AHの長さをそれぞれ求めなさい。

書き込み欄
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CH=60/13cm、AH=144/13cm

三平方の定理よりAC=√(13²-5²)=√144=12。△ABCの面積は(1/2)×5×12=30。また面積は(1/2)×AB×CH=(1/2)×13×CHとも表せるので30=(1/2)×13×CH、CH=60/13。△ACHと△ABCは相似(∠A共通・∠AHC=∠ACB=90°)なので、AH:AC=AC:ABが成り立ち、AH=AC²/AB=144/13。検算:AH+HB=13になるはず。HB=BC²/AB=25/13、144/13+25/13=169/13=13で一致。

出典:大問4(三平方の定理・相似の誘導つき)と同系・川崎学舎オリジナル類題

V大問5 ― 2026年度=空間内の距離・最短経路→求積・面積比(S帯)/2025年度=関数と図形の融合→求積・面積比(A帯)/2024年度=切断(S帯)

毎年出題される、誘導つきの大問です(2026・2025年度は3問、2024年度は2問)。8問全てがA帯かS帯で、3年間でS帯7問のうち5問がこの大問(2024年度2問・2026年度3問)に集中しています。この記事における「勝負どころ」の中核です。

大問5・年度設問1設問2設問3
2024 S切断S切断
2025 A関数と図形の融合A関数と図形の融合A求積・面積比
2026 S空間内の距離・最短経路S空間内の距離・最短経路S求積・面積比

2026年度は3問ともS帯、2024年度も2問ともS帯、2025年度は3問ともA帯でした(当塾判定・3年分)。3年でS帯7問のうち5問がこの大問に集中しています。低信頼の問はありません。当塾の推定では、2024年度はこの大問の2問目(誘導の受け手側)が、その年度で落とすと最も痛い1問でした【推定】。

この大問の特徴(当塾判定・5点満点) 3年間の傾向
計算の量 中程度〜重い。展開図・比の計算が複数手順にわたる
正確さの要求 立体を平面に落とす1手を間違えると後続が総崩れになる
条件の整理 5軸で最も高い。初見の立体・関数設定を自分で式や図に翻訳する必要がある
解き方選び 展開図・比・座標のどれで攻めるかを自分で選ぶ場面が多い
ひらめき 5軸で最も高い。立体を切る・展開する発想を自分で持ち込む必要がある

大問5は、分野が切断から関数・空間距離へ替わっても、全問A帯かS帯であり続ける、この学校の「勝負どころ」の中核です。立体をどう切る・どう展開するかを自分で決める練習が最も効きます。

よくあるミス:展開図の描き間違い、条件の見落とし、比の取り違え。

S 手が出ない:正四面体を中点で切って、体積を比で求める 目安 7分

1辺の長さが6cmの正四面体OABCがある。辺OAの中点をM、辺OBの中点をNとする。3点M、N、Cを通る平面でこの正四面体を切断するとき、頂点Oを含む側の立体(三角錐C-OMN)の体積を求めなさい。

書き込み欄
答えと解説を見る
9√2/2 cm³

まず正四面体OABCの体積を求める。底面△ABCは1辺6cmの正三角形で面積9√3cm²。頂点Oから底面へ下ろした垂線の足は△ABCの重心Gで、AG=2√3cm。△OAGで三平方の定理より、高さOG=√(6²−(2√3)²)=√24=2√6cm。よって体積=(1/3)×9√3×2√6=18√2cm³。次に切断後の立体を比で考える。三角錐C-OMNと三角錐C-OABは、頂点Cを共有し、底面△OMNと△OABが同じ平面上にある。△OMN∽△OAB(相似比1:2)だから面積比は1:4で、高さ(Cからこの平面までの距離)は共通。したがって体積比も1:4となり、三角錐C-OMN=18√2×(1/4)=9√2/2cm³。検算:残り側の立体は18√2−9√2/2=27√2/2cm³で、比は1:3。中点で切ると「半分」ではなく1:4になる――ここがこの型の落とし穴。

出典:大問5(2024年度・切断)と同系・川崎学舎オリジナル類題

記述67.4%――「答えのみ」ではなく、途中式で得点を作る試験

明治大学付属明治高等学校の数学は、3年間・46問のうち31問(67.4%)が「記述」形式です。答えのみで良い問題は15問(32.6%)にとどまり、最終的な数値だけでなく、そこに至る式や考え方を書くことそのものが得点になる試験です。

配点は非公表のため、この記事の推定配点は2025年度の解答用紙に印刷された「推定配点」表を踏襲し、印刷配点表が確認できなかった2024・2026年度も同じパターンで配分しています。年度別の推定配点合計はいずれの年度も100点になるよう設計されています(配点は記事全体を通して【推定】表記です)。

答えのみ形式に慣れていると、記述の場面で手が止まりがちです。途中式や考え方を、省略せずに書く練習を普段の演習から積んでおきましょう。

この章の結論

大問の構成(1〜5)は3年間固定(各年5大問)だが、大問2〜5は中身の分野が年度で入れ替わる。それでも大問3・5は3年間ずっとA帯かS帯

46問中31問(67.4%)が記述形式。部分点があるぶん、途中式まで書き切る精度が得点に直結する

05
数学 / 得点ロードマップ

目標ライン(当塾試算)の作り方 ― 大問の役割を分けて、順に積む

この章で分かること 目標ライン(当塾試算)をどう作るか、大問ごとの役割(土台・勝負どころ・変動枠)の分け方と、いつ何をやるかの順路が分かる。

I目標ライン(当塾試算) ― 70点はこう作る

70 目標ラインの目安

目標ライン(当塾試算)は、学校が公表する合格最低点ではありません。当塾が指導の目安として置く、二段の点です(この試験は50分・100点満点)。標準(C・B帯)を取り切ったときの推定配点の占有率は、3年分を通して40.7%——およそ40点にとどまります。ここに、差がつくA帯のうち誘導の受け手側まで運びきる問題を積んで、まず50点(段1)。同じA帯をさらに広く取り切って70点(段2)。A帯を全部取れば推定配点の85.7%に届く計算なので、段2はA帯の三分の二まで踏み込む水準です。この二段は、当塾の指導判断として設定しています。

この学校は、標準(C・B)を全部取っても、年度によって2850点【推定】にしかなりません(当塾の推定配点)。2024年度は標準と差がつく問題がちょうど半々(50点ずつ・【推定】)。2025年度は標準44点・差がつく問題56点【いずれも推定】。そして2026年度は標準が28点【推定】まで縮み、差がつく問題(A・S帯)側が72点【推定】を占めます。つまり、年度によって「標準と差がつく問題がほぼ半々の年」と「差がつく問題がほとんどを占める年」が入れ替わるのがこの学校の実態です。だから、どの大問も同じ深さまで仕上げる必要はありません。土台の大問と、勝負どころの大問を分ける。その割り振りから始めます。

II単元はこう出る ― 土台と勝負どころ

5つの大問が3年間どう出たか。「この大問の役割」の列が、この章の結論の半分です

単元役割と優先度(この順の理由)出るテーマ難易度の出方(46問)
大問1 土台
◎最優先
3年間で最も出題数が多い(15問)。分野は毎年入れ替わりますが、誘導なしという形式は変わりません。2024・2025年度は最後の設問(1-5)がA帯ですが、2026年度は1-4がA帯です。
  • 数と計算・平方根、式の展開・因数分解
  • 一次・連立方程式、円、三平方の定理
  • 二次関数、資料の活用・統計、場合の数、整数の性質
C×1B×9A×5
大問2 変動枠
○要警戒
毎年出題(6問)。2024年度はB帯(唯一、前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられる誘導)・2025年度もB帯・2026年度はA帯と、難度が年度で動きます。
  • 式の展開・因数分解→整数の性質
  • 二次方程式
B×4A×2
大問3 勝負どころ
毎年出題(8問)。全問A帯かS帯。2026年度は2問ともS帯という、大問3の3年間の中では唯一の全問S帯年度でした。
  • 放物線と直線
  • 切断
A×6S×2
大問4 勝負どころ
毎年出題(9問)。9問中8問がA帯。唯一の例外は2024年度4-1(確率・C帯、独立小問)です。
  • 確率
  • 二次関数・角度合同・相似
  • 求積面積比・相似・三平方の定理
C×1A×8
大問5 勝負どころ
毎年出題(8問)。全問A帯かS帯。3年でS帯7問のうち5問がこの大問に集中しています。
  • 切断
  • 関数と図形の融合
  • 空間内の距離・最短経路・求積面積比
A×3S×5

表は対策の優先度順(◎→○)。優先度は「出題の安定度 × 差がつく問題の出方」から(当塾判定)。役割:土台=出題数が多く、標準を確実に固めるべき大問/勝負どころ=出ればA帯以上になりやすい大問/変動枠=分野・難度そのものが年で大きく変わる大問。分野・帯の数え方は3年46問の実データ(当塾の推定)。この試験のS(手が出ない難問)は3年で7問・15.2%です。

IIIいつ何をやるか ― 3STEP

STEP1
中3・夏まで

土台(大問1)を、多様な分野を横断して素早く正確に解き切る練習をする。

教材学校のテキスト+1周目の問題集(標準レベル)
ねらい誘導なしの独立小問(大問1相当)を、幅広い分野で確実に落とさない状態にする
STEP2
中3・夏〜秋

勝負どころ(大問3・4・5)の誘導つきの大問に、記述で書き切る練習を重ねて触れ始める。

教材入試演習レベルの問題集(応用)
ねらい誘導の受け手側(2問目・3問目)まで、条件を正しく引き継いで記述を仕上げる
STEP3
中3・秋〜直前期

過去問演習で、変動枠(大問2)と50分の時間配分を仕上げる。

教材明治大学付属明治高等学校の過去問(3年分以上)
ねらい分野が読めない大問2にも一定の練習量を確保し、50分の時間配分を体に入れる
中1・2年生へ この順路は受験学年になってからで大丈夫です。いまはSTEP1の教材だけ進めてください。

IV差がつく問題(A)を、手順ごと1問だけ開く

差がつく問題(S帯)を、手順ごと1問だけ開きます。大問5=【勝負どころ】とした、空間図形・最短経路の型です。

うちならこう教える
「勝負どころ」の空間内最短経路を1問、教室の手順ごと開く
目安7分大問5・空間内の距離の型と同系・川崎学舎オリジナル類題型:展開図に開いて直線で結ぶ
この1問のねらいIIの表で【勝負どころ】とした大問5の型です。立体の表面を、隣り合う2つの面ごと1枚の平面に開き直せるか。そのうえで、開いた平面の上で直線を引き、交点の位置まで求められるか――ここが差のつく一歩です。
ABCDEFGHP6cm
問題
1辺の長さが6cmの立方体ABCD-EFGH(面ABCDと面EFGHが向かい合い、AE・BF・CG・DHがそれぞれ長さ6cmの辺)がある。頂点Aから辺BF上のある点Pを通り、頂点Gまで、立体の表面に沿ってひもをかける。ひもの長さが最も短くなるようにかけるとき、その長さと、BPの長さをそれぞれ求めなさい。
STEP 1
通る2つの面を、共有する辺で1枚の平面に開く
Aを含む面ABFEと、Gを含む面BCGFは、辺BFを共有する。この辺BFで2つの面を開いて1枚の平面にする
立体のまま考えず、まず「通る面はどれとどれか」を先に決める
STEP 2
開いた平面に座標をおく
ABCEFGP66
A(0,0)、B(6,0)、F(6,6)とすると、面BCGFを展開したC(12,0)、G(12,6)が同じ平面上に並ぶ
1辺6cmの正方形が横に2枚並んだ形になる
STEP 3
AとGを直線で結び、長さと交点を求める
AG=122+62=180=65
表面上の最短経路は、展開図の上でAとGを結ぶ直線の長さに等しい
STEP 4
直線AGとBFの交点から、BPを求める
直線AGはy=x/2。x=6のときy=3なので、BF(x=6の線分)との交点の高さ、つまりBPは3cm
BP=3
検算:AP=√(6²+3²)=3√5、PG=√(6²+3²)=3√5、AP+PG=6√5で一致
この1問の持ち帰り
初めて見る立体の経路問題は、まず「どの面とどの面を通るか」を決めてから、その面同士を共有する辺で1枚の平面に開き直す。開いた平面の上でなら、最短経路はただの直線になる。
この問題で必要な知識
  • 立体の表面上の最短経路は、通る面を展開図に開いて直線で結ぶと求まる
  • 展開図に座標をおいて、三平方の定理で直線の長さを求める
  • 展開図上の直線の式から、辺との交点の位置(比)を求める
  • 2区間に分けた長さの和が、直線の長さと一致することを検算する習慣
塾長所見

明治大学付属明治高等学校の対策で一番よくある失敗は、「標準を固めれば受かる」という前提のまま勉強を止めてしまうことです。この学校は標準(C・B)だけでは年度によって28点【推定】しか作れない年もあり、差がつく問題(A・S帯)をどれだけ取れるかで伸ばせる得点が頭打ちになるかどうかが変わります。特に大問3・4・5は、3年間の観測では分野が変わってもA帯以上になっているので、「今年は何が出るか」を予想するより、大問1で基礎を素早く固め、大問3・4・5の誘導つき複数手順を記述で書き切る練習に慣れておくことが、この学校の目標ライン(当塾試算)の作り方です。

この章の結論

土台(大問1)を固めるだけでは、年度によって28点分【推定】にしかならない(当塾の推定配点)。勝負どころ(大問3・4・5)をどれだけ取れるかが分かれ目

大問2は分野・難度そのものが年で入れ替わる変動枠。的中を狙うのではなく、幅広い分野の標準を用意しておく

06
数学 / よくある質問

よくある質問 ― 先取り・過去問・記述対策から、独学・公立併願まで

この章で分かること 明治大学付属明治高等学校を目指す家庭からよく聞かれる6つの質問に、この記事のデータをもとに答える。

Iよくある質問 ― 6本

Q中1・中2のうちから明治大学付属明治高等学校を意識した勉強をした方がいいですか?
Aはい。この学校は標準(C・B)だけでは年度によって得点が大きく伸び悩み、大問3・4・5の誘導つき大問に早くから慣れておく必要があります。中1・2のうちは05章のSTEP1の教材を、基礎を崩さない範囲で進めておくと、中3の演習量に余裕が生まれます。
Q過去問は何年分やればいいですか?
A最低でも3年分(2024〜2026年度)を、時間を計って解くことをおすすめします。大問2は3年とも分野・難度が動き、大問1も2026年度に入って急にA帯が増えるなど、1年分だけでは「この学校の大問はこの難度」のような誤った思い込みが生まれやすい試験です。年度ごとの振れ幅そのものを体感しておくことが大切です。
Q大問2は毎年分野が変わって対策しづらいです。何をすればいいですか?
A大問2はこの学校で最も難度の振れ幅が大きい枠です(2024・2025年度はB帯、2026年度はA帯)。分野を的中させようとするのではなく、方程式まわりの標準を高い精度で仕上げておき、初見の誘導(前の結果を使う型か、ヒントが与えられる型か)にも対応できる練習をしておいてください。
Qデータの活用・確率は、対策の優先度は低いですか?
A3年46問中5問(資料の活用・統計2問、確率3問)と出題数は多くありませんが、C・B・Aと帯の幅も広く、大問1・大問4の両方に出る分野です。優先度は最上位ではありませんが、代表値・場合の数の基本は外さずに用意してください。
Q記述式の対策は必要ですか?
Aはい、必須です。明治大学付属明治高等学校の数学は、3年間・46問のうち31問(67.4%)が「記述」形式です。答えのみで良い問題は15問(32.6%)にとどまり、最終的な数値だけでなく、そこに至る式や考え方を書くこと自体が得点になります。答えのみの演習に偏らず、普段から途中式を書き切る練習をしておいてください。
Q公立高校を併願する場合、対策は両立できますか?
A両立できます(これはデータではなく、当塾の指導経験からの回答です)。この学校の大問1(独立小問)は公立入試の基礎〜応用問題と重なる部分が多く、標準の練習は公立対策と兼用できます。ただし大問3・4・5の誘導つき大問は私立特有の重さと記述量があるため、直前期には明治大学付属明治高等学校専用の演習時間を確保してください。
塾長所見

この記事でお伝えしたかったのは、明治大学付属明治高等学校は「対応する分野を当てにいく試験」ではなく、「初めて見る条件を自分で構成し、それを記述で最後まで正確に書き切れるかを見る試験」だということです。記述67.4%・差がつく問題の厚み・大問ごとの役割の違いを踏まえて、土台から勝負どころへ、順番に積んでいってください。

この章の結論

対策の軸は、標準(土台)を固めたうえで、勝負どころ(大問3・4・5)にどれだけ手を伸ばせるか

大問の構成は年度で変わらないが、大問2・3・4は分野が年度で動く。的中を狙わず幅広く備え、記述の精度を優先する

明治大学付属明治高等学校 数学 ― 全46問仕分け表

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執筆・監修:今村駿斗(川崎学舎 塾長)
早慶・MARCH附属高校を中心に、過去問を1問ずつ分析し、同じ基準で難易度を判定しています。
本記事のデータについて
この記事の難易度・配点・時間配分・大問分類は、いずれも川崎学舎が独自に算出した推定値です。学校が公式に発表した数値ではありません。配点は非公表のため、全問【推定】(2025年度は解答用紙に印刷された推定配点表を踏襲し、印刷配点表が確認できなかった2024・2026年度も同パターンで配分)です。難易度(C〜S)は、早慶・MARCHをはじめとする私立高校の入試問題を当塾が1問ずつ解き、同じ基準で相対的に判定したものです。各設問の失点の重み(推定配点・優先度の参考値)は、本校固有の新規の合意スコアではなく、当塾の過去問判定データベースの帯別傾向を単調な目安として当てはめた近似値であり、この記事内では推定配点の形でのみ使用しています。46問中8問は、当塾の品質チェック(判定の信頼度確認)で軽度の留保が付いた帯判定であり、該当箇所には「参考/要確認」と注記していますが、帯自体は確定値として採用しています。試験時間(50分・100点)は学校公式サイト(高校受験入試情報ページ)の公表値によります。2024〜2026年度についても同じ配点・時間構成として扱っていますが、年度別の入試要項を個別に確認したものではなく、現行要項の値を過去年度にも同様に適用した推定です。試験の基本情報(配点・時間・出題範囲)に変更があった場合は、この前提が崩れる可能性があります。
記事はここまで。すべて無料です。
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単元別 とりこぼしチェック表

この記事の帯分布・単元の山と同じ実測データを、書き込める形にした表です(明治大学付属明治高等学校専用・PDF)。過去問を解いて○×を写すと、いま落としている単元が見えます。

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