明治大学付属明治高等学校 数学 入試分析完全版
明治大学付属明治高等学校の入試は、標準問題(C・B帯)だけでは得点が伸びきらない試験です。3年間・46問のうち、差がつく問題(A帯)が22問・47.8%で最多を占め、手が出ない問題(S帯)も7問・15.2%存在します。標準(C・B帯)はわずか17問・37.0%にとどまり、A・S帯が主役という構成です。しかも46問中31問(67.4%)が「記述」形式――最終値だけでなく、そこに至る式や考え方を書くこと自体が得点になります。
過去問を見た。色々な記事を見た。でも、難しいことは分かった。具体的にどう難しいのか、どんな大問がどんな難しさで出るのか、そしてどこをどう対策すればいいのかは分からない。本気で明治大学付属明治高等学校に合格しにいく。そんな受験生のために、この記事を作りました。3年分・46問の全問分析をもとに、入試の分析から、これからの勉強の方針までお伝えします。
明治大学付属明治高等学校の正体 ― どんな子が、受かるか。
I診断
明治大学付属明治高等学校の数学は、「差がつく問題(A・S帯)にどれだけ食らいつけるか」で得点が決まる試験です。3年分・46問を1問ずつ分析しました。数字で見ていきましょう。
II6つの軸で見る出題傾向
数字は当塾の推定です。右端の数字は各軸の目盛りの上限。「手が出ない問題の割合」はS+SS帯の問題数の割合(46問中の実数)。「1問の重さ」は、誘導つきの大問はまとめて1つと数えたときの、1つのまとまりに使える持ち時間です(50分×3年度=150分÷28)。明治大学付属明治高等学校は46問中31問(67.4%)が「記述」形式のため、記述の割合は本ゲージでは扱わず、04章末尾の別枠で詳しく取り上げています。
数字は当塾の推定です。計算・作業の量とひらめきの必要度は0〜100の指数(全体の平均=48.9)、自力で方針を立てる場面は誘導なしで解く設問の割合(実測60.9%・全体の平均=46.9%)。3軸とも平均より重い側にあり、中でも自力で方針を立てる場面の乖離が最も大きい構成です。
この分析から見えるのは、対応する分野を当てにいく試験ではなく、初めて見る条件を自分で構成し、それを記述で正確に書き切る「重厚型(構成×記述)」の入試だということです。差がつく問題(A・S帯)は46問中29問・63.0%を占め、その中身は単発のひらめきよりも、放物線と直線・空間図形の切断のような設定を自分で式や図に組み立てる力で決まります。計算・作業の量とひらめきの必要度はいずれも全体平均を上回り、誘導なしで自力で方針を立てる場面も実測60.9%と全体平均46.9%を14ポイント上回ります。実際、全46問中45問(97.8%)の誘導は、前の設問の結果を使って作業を段階的に進めさせる型で統一されており(前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられる型は2024年度大問2-2の1問のみ)、設問を惑わせる要素は「条件見落とし」(15問・55.6%)が最多です。
受かるのは、初めて見る条件を自分で式や図に組み立て、記述で最後まで正確に書き切れる子(誘導なしで自力で答える問題は28問・全体の60.9%)
差がつく問題(A・S帯)が46問中29問・63.0%を占め、標準の完成度だけでは得点が伸びきらない試験
難易度の物差し ― 30秒だけ準備する
I難しさは4段階で測る
この記事で使う難しさの物差しを説明します。30秒で掴みましょう。
II3年間、46問の出題難易度を比べると
| 物差し | 問題数 | ひとことで |
|---|---|---|
| C やさしい | 3問 | 3年でわずか3問。大問1の一部に限られる。 |
| B ふつう | 14問 | 標準問題の中心。大問1・2に厚い。 |
| A 差がつく | 22問 | 最多の層。大問3〜5の中心層。 |
| S 手が出ない | 7問 | 大問3・5に集中(3年で7問・15.2%)。 |
3年分・46問の内訳(当塾の推定)。標準(C+B)は46問中17問・約37%にとどまり、差がつく問題(A+S)が29問・約63%と、標準を上回る厚みを持っています。年度別に見るとS帯比率は2024年度13.3%→2025年度0.0%→2026年度33.3%、A帯比率も2024年度40.0%→2025年度62.5%→2026年度40.0%と、年度によって大きく揺れます。「毎年同じ配分」という前提は成り立ちません。
Qこの物差しは、どうやって決めたのですか?▶
難しさの物差しはC〜Sの4段階。以後の章は、この物差しで読める
標準=CとB(17問)。差がつく問題(A+S)は29問と、標準を上回る厚みを持つ試験
どの単元が、どう出るか ― 大問の構成は固定、中身の分野は年度で動く
I5つの大問と単元の一覧
明治大学付属明治高等学校の大問構成は、位置(大問1〜5)こそ3年間動きませんが、大問2〜5の中身(分野)は年度によって入れ替わります。たとえば大問3は、2026年度は「放物線と直線」(S帯)ですが、2025年度は「切断」(A帯)、2024年度は「放物線と直線」(A帯)でした。大問の位置だけで対策を立てると、分野の入れ替わりと難度の振れ幅を見落とします。そこでこの記事では、5つの大問を1つずつ、年度別の中身とあわせて説明します。
大問ごとにまとめれば、どの大問が、どのくらいの割合で、どんな難しさで出るかが年度をまたいで見えます。まずは5つの大問を、1つずつ見ていきましょう。
| 大問 | 単元 | 問われている力 | 難易度の出方 |
|---|---|---|---|
| I | 大問1:独立小問集合(数と式・関数・図形・データの活用を横断・誘導なし) 毎年出題(15問=5問×3年度)。分野は年度により入れ替わりますが、誘導ゼロという出題形式は3年間動きません。2024・2025年度は最後の設問(1-5)がA帯ですが、2026年度は1-5がB帯に低下し、代わりに1-4がA帯になっています。 |
幅広い分野を、ヒントなしで自力に処理する力 | C B A |
| II | 大問2:2026年度=二次方程式/2025年度=二次方程式/2024年度=式の展開・因数分解→整数の性質 毎年出題される2問の誘導つきの大問です。2024年度は3年間で唯一、前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられる誘導(前問の因数分解結果をそのまま次の設問へ流用)が使われ、2025・2026年度はいずれも、前の設問の結果を使って作業を段階的に進めさせる型です。難度はB帯(2024・2025年度)からA帯(2026年度)へ動いています。 |
誘導の型(前の結果を使う型か、ヒントが与えられる型か)を見極めて、前問の結果を正しく引き継ぐ力 | B A |
| III | 大問3:2026年度=放物線と直線(S帯)/2025年度=切断(A帯)/2024年度=放物線と直線(A帯) 毎年出題される、誘導つきの大問です。8問全てがA帯かS帯で、B・C帯は一度も出現しません。2026年度は2問ともS帯(大問3の3年間の中では唯一の全問S帯年度)です。 |
初見の設定(切断・放物線と直線の複合)から、自力で構成を組み立てる力 | A S |
| IV | 大問4:2026年度=求積・面積比→相似→三平方の定理/2025年度=二次関数→角度・合同→相似/2024年度=確率(独立1問+誘導2問) 毎年出題される、9問中8問がA帯の大問です。唯一の例外は2024年度4-1(確率・C帯)で、これだけが大問4の中で独立小問として単独に出題されました。 |
複数分野の定石を組み合わせて、誘導つきの大問を最後まで運ぶ力 | C A |
| V | 大問5:2026年度=空間内の距離・最短経路→求積・面積比(S帯中心)/2025年度=関数と図形の融合→求積・面積比(A帯)/2024年度=切断(S帯) 毎年出題される、8問全てがA帯かS帯の大問です。3年間でS帯7問のうち5問がこの大問(2024年度2問・2026年度3問)に集中しています。 |
空間図形や関数の複合設定を、誘導の受け手側まで正確に運びきる力 | A S |
5つの大問はいずれも毎年出題されます(大問数は3年とも5)。ただし大問2〜5は年度ごとに中身の分野が入れ替わります。難易度は当塾の推定・3年分。
5つの大問を見ると、傾向がはっきりします。大問1は出題数が多く標準(C・B)中心ですが、大問3・5は全問がA帯かS帯。大問2は分野・難度ともに3年間で最も動く枠で、大問4はほぼA帯ながら2024年度のみ独立小問(4-1)にC帯が混ざります。「毎年出る土台」と「動かない勝負どころ」と「年度で振れる枠」がはっきり分かれているのが、この学校の構成です。
II3年46問を大問ごと、難易度別で比較
大問の性格が見えたところで、3年46問全てを大問ごと、難易度で比べます。大問1は標準(C・B)中心、大問3・5はA帯かS帯のみで占められているのが一目で分かります。
| 単元(大問) | C | B | A | S | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 大問1 | 2 | 10 | 3 | · | 15 |
| 大問2 | · | 4 | 2 | · | 6 |
| 大問3 | · | · | 6 | 2 | 8 |
| 大問4 | 1 | · | 8 | · | 9 |
| 大問5 | · | · | 3 | 5 | 8 |
| 計(3年・判定した問題数) | 3 | 14 | 22 | 7 | 46 |
大問によって難易度がくっきり分かれます。大問3・5はA帯かS帯のみ、大問4も9問中8問がA帯です。標準(C・B帯)が出るのは大問1・2・4の一部に限られます(当塾判定・3年分)。
III差がつく問題(A・S)は、どの大問で出たか
差がつく問題(A・S帯)について詳しく見ていきましょう。46問中29問がA・S帯で、63.0%を占めます。出題は下の13か所。3年分そのまま並べます。
| 年 | 場所 | 単元 |
|---|---|---|
| 2024 | 大問1-5 | 求積・面積比【参考/要確認】 |
| 2024 | 大問3(誘導つき) | 放物線と直線 |
| 2024 | 大問4(誘導つき) | 確率 |
| 2024 | 大問5(誘導つき) | 切断 |
| 2025 | 大問1-5 | 資料の活用・統計 |
| 2025 | 大問3(誘導つき) | 切断【参考/要確認】 |
| 2025 | 大問4(誘導つき) | 二次関数・角度合同・相似【参考/要確認】 |
| 2025 | 大問5(誘導つき) | 関数と図形の融合 |
| 2026 | 大問1-4 | 三平方の定理 |
| 2026 | 大問2(誘導つき) | 二次方程式 |
| 2026 | 大問3(誘導つき) | 放物線と直線 |
| 2026 | 大問4(誘導つき) | 求積・面積比・相似・三平方の定理 |
| 2026 | 大問5(誘導つき) | 空間内の距離・最短経路・求積面積比 |
差がつく問題(A・S帯)の出題は上の13か所(誘導つきの大問は1行にまとめています)。大問3・5はほぼ全てがA・S帯、大問1は3年で3か所(各年度1か所ずつ)、大問2は2026年度のみA帯という構成です(当塾判定)。
大問3・5は、分野が入れ替わっても出題されればほぼ確実にA帯以上という点が読み取れます。大問1はA帯が3年間とも1問(2024・2025年度は1-5、2026年度は1-4)で安定しており、大問2は2026年度だけA帯へ動きました。頻出の大問は、どの分野が出ても対応できる状態を作っておく必要があります。
IV頻出単元のテーマ分析 ― どのテーマが来ても解けるように
大問の位置は年で入れ替わりませんが、大問の中のテーマは毎年動いています。3年間の実物を大問ごとに並べると、その回りかたが見えます。
どの大問も「同じテーマの再演」ではなく、大問の中でテーマが回っています。だから頻出の大問は、テーマを選ばず解ける状態まで仕上げる――これが明治大学付属明治高等学校の大問対策の結論です。
Vくり返し出る、解き方の型(6本)
最後に、大問をまたいで繰り返し顔を出す「型」を6つまとめます。大問は違っても、失点の起きやすいポイントは共通しているものが多いです。先に体になじませておくと、大問ごとの対策が早くなります。
実物の手ざわりは、次章の大問別カルテで確かめられます(各大問に1問ずつ、川崎学舎オリジナルの類題つき)。→ 大問別カルテへ進む
大問の構成(1〜5)は3年間固定(各年5大問)だが、大問2〜5は中身の分野が年度でローテーションする
差がつく問題(A・S)は大問3・5に集中して安定。大問1・2は年度によって難度が大きく動く
大問別カルテ ― 5つの大問を1つずつ見る ― どこを固め、どこで差をつけるか
50分の使い方
明治大学付属明治高等学校の数学は、100点満点・50分・大問5つ(3年間とも固定)。誘導つきの大問はまとめて1つ、独立の小問は1問ずつと数えると、解くまとまりは3年間で28。1つのまとまりに使える時間は、当塾の推定でおよそ5.36分です(50分×3年度=150分÷28)。誘導される問題数は46問中18問(39.1%)です。誘導の中身は、前の設問の結果を使って作業を段階的に進めさせるものが46問中45問(97.8%)とほとんどで、前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられるものは、2024年度大問2の1問のみです。
この章の「当塾判定」は、川崎学舎が3年分を実際に解いて付けた評価です。二つの系統があります。難易度のC〜S(物差しの決め方は02章)は、当日その問題を落としやすいかを4段階で表したもの。各大問の「この大問の特徴」の5点満点は、難しさの中身を5つの観点で表したもので、難易度そのものではありません。明治大学付属明治高等学校は大問の構成(1〜5)が3年間固定ですが、大問2〜5は年度ごとに中身の分野が入れ替わります。下の表の「設問1」「設問2」…は、その大問でその年に出た設問を出題順に並べたもので、大問内の通し番号とは対応していません。なお、46問中8問は、当塾の品質チェック(判定の信頼度確認)で軽度の留保が付いた帯判定です。該当箇所には「参考/要確認」と注記していますが、帯(C〜S)自体は確定値として採用しています。
5つの大問を1つずつ見る(3年分の設問構成)
I大問1 ― 独立小問集合(数と式・関数・図形・データを横断)
3年間、毎年出題される独立小問群です(15問=5問×3年度)。分野は年度によって入れ替わり、2024年度は数と計算・関数・データの活用が中心、2025年度は方程式・図形・関数・データの活用の5分野、2026年度は方程式・整数・関数・図形・場合の数の5分野が出そろいました。誘導は一切なく(15問すべてが誘導なし)、1問ずつ独立に完結します。難易度はB帯中心で、2024・2025年度は最後の設問(1-5)がA帯ですが、2026年度は1-5がB帯に低下し、代わりに1-4がA帯になっています。
| 大問1・年度 | 設問1 | 設問2 | 設問3 | 設問4 | 設問5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | B数と計算・平方根 | B数と計算・平方根 | B二次関数 | B資料の活用・統計 | A求積・面積比【参考/要確認】 |
| 2025 | B一次・連立方程式 | C式の展開・因数分解 | B円(円周角・接線) | B放物線と直線 | A資料の活用・統計 |
| 2026 | C一次・連立方程式【参考/要確認】 | B整数の性質 | B二次関数 | A三平方の定理 | B場合の数 |
2026年度は5問中1問のみA帯(1-4)、2024・2025年度も1問のみA帯(各年度の1-5)でした。2024・2025年度は最後の設問(1-5)がA帯でしたが、2026年度は1-5がB帯に低下し、代わりに1-4がA帯になっています(当塾判定・3年分)。【参考/要確認】の2セルは、当塾の品質チェック(判定の信頼度確認)で軽度の留保が付いたものです。帯は採用のうえ参考としています。
大問1は、46問の中で最も出題数が多い土台の大問です。分野が毎年入れ替わるからこそ、幅広い分野の基礎を穴なく仕上げておく必要があります。
よくあるミス:符号ミス、場合分けの見落とし、変域の端点の選び違い。
B ふつう:二次関数の変域から、係数aを求める 目安 3分 ▶
関数y=ax²について、xの変域が-2≦x≦3のとき、yの変域が0≦y≦18となるようなaの値を求めなさい。ただしa>0とする。
答えと解説を見る
a>0のとき、y=ax²は下に凸の放物線で、変域が0を含む区間では最小値はx=0のときy=0。最大値はxの絶対値が大きい方の端点で決まる。|-2|=2、|3|=3なので、x=3のときyが最大になる。y=18のときのaを求めると、18=a×3²=9a、a=2。検算:x=-2のときy=2×4=8(0以上18以下でOK)、x=3のときy=2×9=18で一致。
II大問2 ― 2026年度=二次方程式/2025年度=二次方程式/2024年度=式の展開・因数分解→整数の性質
毎年出題される、誘導つきの大問(2問)です。2024年度は「式の展開・因数分解」から「整数の性質」へつながる誘導で、3年間で唯一、前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられるもの(前問の因数分解結果をそのまま次の設問へ流用する誘導)が使われました。2025・2026年度はいずれも二次方程式の応用で、誘導は前の設問の結果を次で使う型です。難度は2024・2025年度がB帯、2026年度はA帯でした。
| 大問2・年度 | 設問1 | 設問2 |
|---|---|---|
| 2024 | B式の展開・因数分解 | B整数の性質(ヒントが与えられる型の誘導) |
| 2025 | B二次方程式 | B二次方程式 |
| 2026 | A二次方程式 | A二次方程式 |
2024年度はB帯(2問目は3年間で唯一、前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられる誘導)、2025年度もB帯、2026年度はA帯でした(当塾判定・3年分)。低信頼の問はありません。
大問2は、誘導の「型」そのものが年度で変わりうる大問です。前問の結果を「そのまま使う」のか「別の作業に活かす」のかを、設問文から見極める練習をしておきます。
よくあるミス:前問の結果の転記ミス、因数分解の符号違い。
A 差がつく:因数分解の結果を、不定方程式へ流用する 目安 5分 ▶
x,yを正の整数とする。x²-y²+3x-3y=14を満たすx,yの組をすべて求めなさい。(ヒント:左辺は(x-y)と(x+y+3)の積に因数分解できる)
答えと解説を見る
x²-y²+3x-3y=(x-y)(x+y)+3(x-y)=(x-y)(x+y+3)=14。x,yが正の整数なのでx+y+3≧5、かつ積が14(正)なのでx-yも正。14=1×14=2×7の2通りに絞られる(7×2は第2因子が5未満で不適、14×1も同様)。(x-y,x+y+3)=(1,14)のときx=6,y=5。(2,7)のときx=3,y=1。検算:(6,5)→36-25+18-15=14、(3,1)→9-1+9-3=14でいずれも一致。
III大問3 ― 2026年度=放物線と直線(S帯)/2025年度=切断(A帯)/2024年度=放物線と直線(A帯)
毎年出題される、誘導つきの大問です(2026年度は2問、2024・2025年度は3問)。8問全てがA帯かS帯で、B・C帯は一度も出現しません。2026年度は2問ともS帯で、大問3の3年間(2024・2025・2026年度)の中では2026年度が唯一の全問S帯年度です。
| 大問3・年度 | 設問1 | 設問2 | 設問3 |
|---|---|---|---|
| 2024 | A放物線と直線 | A放物線と直線 | A放物線と直線 |
| 2025 | A切断【参考/要確認】 | A切断【参考/要確認】 | A切断【参考/要確認】 |
| 2026 | S放物線と直線 | S放物線と直線 |
2024年度はA帯(放物線と直線・誘導つき3問)、2025年度もA帯(切断・誘導つき3問)、2026年度はS帯(放物線と直線・誘導つき2問)でした(当塾判定・3年分)。2025年度の3問【参考/要確認】は、当塾の品質チェック(判定の信頼度確認)で軽度の留保が付いたものです。帯(A)は構造から確定済みです。当塾の推定では、2025・2026年度はいずれもこの大問の2問目(誘導の受け手側)が、その年度で落とすと最も痛い1問でした【推定】。
大問3は、この学校で最も「今年は何が出るか読めない」大問の1つです。分野を的中させる勝負ではなく、初見の分野が来ても自分で構成を組み立てる姿勢を仕込んでおくべき大問です。
よくあるミス:条件の読み落とし、場合分けの見落とし、展開図の描き間違い。
A 差がつく:放物線上の2点と、原点を通る面積二等分線 目安 6分 ▶
放物線y=x²上に2点A(-1,1)、B(3,9)がある。直線ABの式を求めなさい。さらに、原点Oを通り△OABの面積を2等分する直線の式を求めなさい。
答えと解説を見る
直線ABの傾きは(9-1)/(3-(-1))=8/4=2。y-1=2(x+1)より y=2x+3。△OABの面積を、頂点Oを通る直線で二等分するには、その直線が辺ABの中点を通ればよい(中線は三角形の面積を二等分する)。ABの中点M=((-1+3)/2,(1+9)/2)=(1,5)。直線OMは原点(0,0)と(1,5)を通るのでy=5x。検算:直線y=5xがx=1でy=5となり、Mの座標と一致。
IV大問4 ― 2026年度=求積・面積比→相似→三平方の定理/2025年度=二次関数→角度・合同→相似/2024年度=確率
毎年出題される大問です。誘導つき3問の年度が多い中、2024年度だけは独立小問(4-1・確率)+誘導つき2問(4-2・4-3)という混在構成でした。9問中8問がA帯で、唯一の例外は2024年度4-1(確率・C帯・独立小問)です。
| 大問4・年度 | 設問1 | 設問2 | 設問3 |
|---|---|---|---|
| 2024 | C確率(独立小問) | A確率(誘導つき) | A確率(誘導つき) |
| 2025 | A二次関数【参考/要確認】 | A角度・合同【参考/要確認】 | A相似【参考/要確認】 |
| 2026 | A求積・面積比 | A相似 | A三平方の定理 |
2026・2025年度は3問ともA帯、2024年度は独立小問(4-1・確率)がC帯、誘導つきの4-2・4-3がA帯という唯一の混在年度でした(当塾判定・3年分)。2025年度の3問【参考/要確認】は、当塾の品質チェック(判定の信頼度確認)で軽度の留保が付いたものです。帯(A)は構造から確定済みです。
大問4は、分野が確率から関数・図形へ替わっても難度がほぼ動かない大問です。定石(相似・三平方の定理・場合分け)を単発で覚えるのではなく、組み合わせて使う練習を積んでおきます。
よくあるミス:場合の数え漏れ、誘導(1)のミスの後続への持ち越し。
A 差がつく:直角三角形の相似と三平方の定理で、垂線の足を求める 目安 5分 ▶
△ABCにおいて、∠C=90°、AB=13cm、BC=5cmとする。頂点Cから辺ABに垂線を下ろし、その足をHとする。CHの長さと、AHの長さをそれぞれ求めなさい。
答えと解説を見る
三平方の定理よりAC=√(13²-5²)=√144=12。△ABCの面積は(1/2)×5×12=30。また面積は(1/2)×AB×CH=(1/2)×13×CHとも表せるので30=(1/2)×13×CH、CH=60/13。△ACHと△ABCは相似(∠A共通・∠AHC=∠ACB=90°)なので、AH:AC=AC:ABが成り立ち、AH=AC²/AB=144/13。検算:AH+HB=13になるはず。HB=BC²/AB=25/13、144/13+25/13=169/13=13で一致。
V大問5 ― 2026年度=空間内の距離・最短経路→求積・面積比(S帯)/2025年度=関数と図形の融合→求積・面積比(A帯)/2024年度=切断(S帯)
毎年出題される、誘導つきの大問です(2026・2025年度は3問、2024年度は2問)。8問全てがA帯かS帯で、3年間でS帯7問のうち5問がこの大問(2024年度2問・2026年度3問)に集中しています。この記事における「勝負どころ」の中核です。
| 大問5・年度 | 設問1 | 設問2 | 設問3 |
|---|---|---|---|
| 2024 | S切断 | S切断 | |
| 2025 | A関数と図形の融合 | A関数と図形の融合 | A求積・面積比 |
| 2026 | S空間内の距離・最短経路 | S空間内の距離・最短経路 | S求積・面積比 |
2026年度は3問ともS帯、2024年度も2問ともS帯、2025年度は3問ともA帯でした(当塾判定・3年分)。3年でS帯7問のうち5問がこの大問に集中しています。低信頼の問はありません。当塾の推定では、2024年度はこの大問の2問目(誘導の受け手側)が、その年度で落とすと最も痛い1問でした【推定】。
大問5は、分野が切断から関数・空間距離へ替わっても、全問A帯かS帯であり続ける、この学校の「勝負どころ」の中核です。立体をどう切る・どう展開するかを自分で決める練習が最も効きます。
よくあるミス:展開図の描き間違い、条件の見落とし、比の取り違え。
S 手が出ない:正四面体を中点で切って、体積を比で求める 目安 7分 ▶
1辺の長さが6cmの正四面体OABCがある。辺OAの中点をM、辺OBの中点をNとする。3点M、N、Cを通る平面でこの正四面体を切断するとき、頂点Oを含む側の立体(三角錐C-OMN)の体積を求めなさい。
答えと解説を見る
まず正四面体OABCの体積を求める。底面△ABCは1辺6cmの正三角形で面積9√3cm²。頂点Oから底面へ下ろした垂線の足は△ABCの重心Gで、AG=2√3cm。△OAGで三平方の定理より、高さOG=√(6²−(2√3)²)=√24=2√6cm。よって体積=(1/3)×9√3×2√6=18√2cm³。次に切断後の立体を比で考える。三角錐C-OMNと三角錐C-OABは、頂点Cを共有し、底面△OMNと△OABが同じ平面上にある。△OMN∽△OAB(相似比1:2)だから面積比は1:4で、高さ(Cからこの平面までの距離)は共通。したがって体積比も1:4となり、三角錐C-OMN=18√2×(1/4)=9√2/2cm³。検算:残り側の立体は18√2−9√2/2=27√2/2cm³で、比は1:3。中点で切ると「半分」ではなく1:4になる――ここがこの型の落とし穴。
記述67.4%――「答えのみ」ではなく、途中式で得点を作る試験
明治大学付属明治高等学校の数学は、3年間・46問のうち31問(67.4%)が「記述」形式です。答えのみで良い問題は15問(32.6%)にとどまり、最終的な数値だけでなく、そこに至る式や考え方を書くことそのものが得点になる試験です。
配点は非公表のため、この記事の推定配点は2025年度の解答用紙に印刷された「推定配点」表を踏襲し、印刷配点表が確認できなかった2024・2026年度も同じパターンで配分しています。年度別の推定配点合計はいずれの年度も100点になるよう設計されています(配点は記事全体を通して【推定】表記です)。
答えのみ形式に慣れていると、記述の場面で手が止まりがちです。途中式や考え方を、省略せずに書く練習を普段の演習から積んでおきましょう。
大問の構成(1〜5)は3年間固定(各年5大問)だが、大問2〜5は中身の分野が年度で入れ替わる。それでも大問3・5は3年間ずっとA帯かS帯
46問中31問(67.4%)が記述形式。部分点があるぶん、途中式まで書き切る精度が得点に直結する
目標ライン(当塾試算)の作り方 ― 大問の役割を分けて、順に積む
I目標ライン(当塾試算) ― 70点はこう作る
目標ライン(当塾試算)は、学校が公表する合格最低点ではありません。当塾が指導の目安として置く、二段の点です(この試験は50分・100点満点)。標準(C・B帯)を取り切ったときの推定配点の占有率は、3年分を通して40.7%——およそ40点にとどまります。ここに、差がつくA帯のうち誘導の受け手側まで運びきる問題を積んで、まず50点(段1)。同じA帯をさらに広く取り切って70点(段2)。A帯を全部取れば推定配点の85.7%に届く計算なので、段2はA帯の三分の二まで踏み込む水準です。この二段は、当塾の指導判断として設定しています。
この学校は、標準(C・B)を全部取っても、年度によって28〜50点【推定】にしかなりません(当塾の推定配点)。2024年度は標準と差がつく問題がちょうど半々(50点ずつ・【推定】)。2025年度は標準44点・差がつく問題56点【いずれも推定】。そして2026年度は標準が28点【推定】まで縮み、差がつく問題(A・S帯)側が72点【推定】を占めます。つまり、年度によって「標準と差がつく問題がほぼ半々の年」と「差がつく問題がほとんどを占める年」が入れ替わるのがこの学校の実態です。だから、どの大問も同じ深さまで仕上げる必要はありません。土台の大問と、勝負どころの大問を分ける。その割り振りから始めます。
II単元はこう出る ― 土台と勝負どころ
5つの大問が3年間どう出たか。「この大問の役割」の列が、この章の結論の半分です。
| 単元 | 役割と優先度(この順の理由) | 出るテーマ | 難易度の出方(46問) |
|---|---|---|---|
| 大問1 | 土台 ◎最優先 3年間で最も出題数が多い(15問)。分野は毎年入れ替わりますが、誘導なしという形式は変わりません。2024・2025年度は最後の設問(1-5)がA帯ですが、2026年度は1-4がA帯です。 |
|
C×1B×9A×5 |
| 大問2 | 変動枠 ○要警戒 毎年出題(6問)。2024年度はB帯(唯一、前の設問の答えが次の解き方のヒントとして与えられる誘導)・2025年度もB帯・2026年度はA帯と、難度が年度で動きます。 |
|
B×4A×2 |
| 大問3 | 勝負どころ ◎ 毎年出題(8問)。全問A帯かS帯。2026年度は2問ともS帯という、大問3の3年間の中では唯一の全問S帯年度でした。 |
|
A×6S×2 |
| 大問4 | 勝負どころ ◎ 毎年出題(9問)。9問中8問がA帯。唯一の例外は2024年度4-1(確率・C帯、独立小問)です。 |
|
C×1A×8 |
| 大問5 | 勝負どころ ◎ 毎年出題(8問)。全問A帯かS帯。3年でS帯7問のうち5問がこの大問に集中しています。 |
|
A×3S×5 |
表は対策の優先度順(◎→○)。優先度は「出題の安定度 × 差がつく問題の出方」から(当塾判定)。役割:土台=出題数が多く、標準を確実に固めるべき大問/勝負どころ=出ればA帯以上になりやすい大問/変動枠=分野・難度そのものが年で大きく変わる大問。分野・帯の数え方は3年46問の実データ(当塾の推定)。この試験のS(手が出ない難問)は3年で7問・15.2%です。
IIIいつ何をやるか ― 3STEP
土台(大問1)を、多様な分野を横断して素早く正確に解き切る練習をする。
勝負どころ(大問3・4・5)の誘導つきの大問に、記述で書き切る練習を重ねて触れ始める。
過去問演習で、変動枠(大問2)と50分の時間配分を仕上げる。
IV差がつく問題(A)を、手順ごと1問だけ開く
差がつく問題(S帯)を、手順ごと1問だけ開きます。大問5=【勝負どころ】とした、空間図形・最短経路の型です。
- 立体の表面上の最短経路は、通る面を展開図に開いて直線で結ぶと求まる
- 展開図に座標をおいて、三平方の定理で直線の長さを求める
- 展開図上の直線の式から、辺との交点の位置(比)を求める
- 2区間に分けた長さの和が、直線の長さと一致することを検算する習慣
明治大学付属明治高等学校の対策で一番よくある失敗は、「標準を固めれば受かる」という前提のまま勉強を止めてしまうことです。この学校は標準(C・B)だけでは年度によって28点【推定】しか作れない年もあり、差がつく問題(A・S帯)をどれだけ取れるかで伸ばせる得点が頭打ちになるかどうかが変わります。特に大問3・4・5は、3年間の観測では分野が変わってもA帯以上になっているので、「今年は何が出るか」を予想するより、大問1で基礎を素早く固め、大問3・4・5の誘導つき複数手順を記述で書き切る練習に慣れておくことが、この学校の目標ライン(当塾試算)の作り方です。
土台(大問1)を固めるだけでは、年度によって28点分【推定】にしかならない(当塾の推定配点)。勝負どころ(大問3・4・5)をどれだけ取れるかが分かれ目
大問2は分野・難度そのものが年で入れ替わる変動枠。的中を狙うのではなく、幅広い分野の標準を用意しておく
よくある質問 ― 先取り・過去問・記述対策から、独学・公立併願まで
Iよくある質問 ― 6本
Q中1・中2のうちから明治大学付属明治高等学校を意識した勉強をした方がいいですか?▶
Q過去問は何年分やればいいですか?▶
Q大問2は毎年分野が変わって対策しづらいです。何をすればいいですか?▶
Qデータの活用・確率は、対策の優先度は低いですか?▶
Q記述式の対策は必要ですか?▶
Q公立高校を併願する場合、対策は両立できますか?▶
この記事でお伝えしたかったのは、明治大学付属明治高等学校は「対応する分野を当てにいく試験」ではなく、「初めて見る条件を自分で構成し、それを記述で最後まで正確に書き切れるかを見る試験」だということです。記述67.4%・差がつく問題の厚み・大問ごとの役割の違いを踏まえて、土台から勝負どころへ、順番に積んでいってください。
対策の軸は、標準(土台)を固めたうえで、勝負どころ(大問3・4・5)にどれだけ手を伸ばせるか
大問の構成は年度で変わらないが、大問2・3・4は分野が年度で動く。的中を狙わず幅広く備え、記述の精度を優先する
この記事の判定(C〜S帯・全46問)を、過去問演習でそのまま使える一覧の形にまとめました。無料でお渡しします。
早慶・MARCH附属高校を中心に、過去問を1問ずつ分析し、同じ基準で難易度を判定しています。